【グローバルのHR Techトレンド】乱立するATSの次は何か?
はじめまして。XTech Venturesのたかしみずです。
HR Tech周りの最近の動きについてまとめました。
ATSやビデオインタビュー、社員管理ツールなど日本では多くのサービスがひしめいていますが、今後の動きとして以下3つが特に尖ってくるのではないかと考えます。
①タレントアクイジジョン:採用スクリーニングの自動化・質の向上
②タレントマネジメント:社員コードの一元管理とエンゲージメント評価
③エンプロイーエクスペリエンス:ウェルネス、福利厚生、働きがい
①タレントアクイジジョン:採用スクリーニングの自動化・質の向上
ジョブ型の働き方になると、フリーランスの採用やプロジェクト単位でのリソース確保、年間を通しての新卒・中途採用活動が必要となり、採用におけるマッチング総量が増加します。
そのため、採用スクリーニングを1. 素早く、2. ごまかしのきかない方法で行うサービスがホットだと考えています。以下海外の事例をいくつかご紹介します。
・Hacker Rank(アメリカ)
エンジニア向け採用テストの提供をしており、プログラマーで知らない人はいないくらい既に巨大となっているサービスです。
https://www.hackerrank.com/
・Empirical Hire(イスラエル)
行動心理学に基づいたクイズのようなテストを提供しており、アンケートに答えるような適性検査と比較しても、診断結果をごまかすことができないのが強み。Emotional Intelligenceを定量的に測ることができるのは面白いなと思っています。
https://www.empiricalhire.com/
ホワイトカラーに加えて、ブルーカラー/ローテク向けにもフィットしていると思います。
・JYI(中国)
一連の採用の流れを設定をすることで、採用プロセスの80%を自動化できるというサービスです。履歴書のAIレビュー、ビデオインタビューの評価も自然言語処理モデル「GPT-3」を用いて行います。主にエンジニア、語学学校の先生など職種は広く、大量採用ニーズのある企業向けに展開しています。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODZ203730Q0A221C2000000/(英語のサイトが見つけられなかったため日経の記事)
・Apiari(アメリカ)
ベビーシッターのマッチングサービスで、特に大切な子供を預けるため、登録ベビーシッターのスクリーニング、評価に力を入れています。
https://theapiari.com/
また採用スクリーニングを自動化する上で、採用用件の具体化やコンサルテーション能力が重要になってきます。やはり市場規模も大きい「採用」領域では多くの新しいサービスが生まれているという印象です。
②タレントマネジメント:社員コードの一元管理とエンゲージメント評価
次に人事評価や社内リソースの配分についてもよりデータに基づいたサービスが求められるのではないかと思っています。
社員情報の管理において、採用前など一部のデータが社員データに紐づけられていない、情報がアップデートされていない、アンケートに定期的に答えてもらうだけでは正確な状況把握ができていないという課題を抱える企業が増えてきているのではないでしょうか?
一例ですが、そんな課題に応える以下国内外のサービスです。
・北森雲計算(Beisen Cloud Computing)(中国)
インストールタイプのクラウド型人事、採用、評価システムが個別に市場で乱立している中、業界初となるHR業務に特化したPaaS/SaaSを提供しており、人事データ統一・分析することができます。今年5月にシリーズFで280億円をセコイアや機関投資家から行っています。
https://36kr.jp/133059/(調達記事)
・Hibob(アメリカ)
給与、追加報酬、オンボーディング、休暇の管理、福利厚生など全てこのサービス上で行うことができます。また何よりもSlackなどのツールと連携させることで、日々の会話量・タスク状況から、企業内のリアルグラフの生成、パフォーマンスを発揮する人、離職リスクのある人の発見が可能になります。
https://www.hibob.com/(HP)
https://jp.techcrunch.com/2020/12/18/2020-12-10-hibob-raises-70m-on-a-500m-valuation-for-its-new-take-on-hr/(調達記事)
・wellday(日本)
こちらもSlackとMicrosoftのTeamsなどと連携させることで、独自のアルゴリズムにより従業員コミュニケーションを解析。業務負荷や人間関係、モチベーションといった情報をリアルタイムに提供し、改善案のレコメンドもしてくれるというサービスです。
https://wellday.jp/
③エンプロイーエクスペリエンス:ウェルネス、福利厚生、働きがいの向上
最後に、「会社」へのロイヤリティが低下する中、優秀な人材の確保・従業員の満足度向上のため、多くの企業がエンプロイーエクスペリエンスに対してアクションを迫られるようになるのではないでしょうか?
・Thrive Global(アメリカ)
「マイクロステップ」と言われる日々小さな目標設定、達成を繰り返すことで、社員の燃え尽き症候群を予防し、生産性をあげることにつながるというサービスです。
https://thriveglobal.com/
NewsPicksエピソード
・Carrot Fertility(アメリカ)
卵子・精子の凍結、体外受精、代理出産の親探し、養子縁組までを広く妊活と定義して、これらのサービスを巨大テクノロジー企業の福利厚生として提供しています。Carrot Fertilityや妊活に限らず、働く女性/男性の求めるサービスが福利厚生として取り入れられる可能性は大いにあると考えます。
https://www.get-carrot.com/
NewsPicks記事:福利厚生として提供するモデル
・Better Up(アメリカ)
簡単なアンケートをもとにした適切なコーチとのマッチング、カスタマイズされたコーチングプランを提供しています。働きがいの向上やキャリアプランの構築、自らを見つめ直す機会として社員へ提供するケースも増えているようです。
https://www.betterup.com/
Better Upが社内で推奨するInner Workという考え方
さいごに
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