新規営業が弱い受託サービス企業がデジマで商談を増やすには(サービスの見せ方編)
受託サービスに限らずですが、事業成長には既存顧客の客単価アップ、ロイヤルカスタマー化によるLTV向上に加えて、新規開拓も必要です。
大企業の小会社など、グループ内の紹介案件で新規案件をまかなえていた企業などは、コロナ禍を経て自社の新規獲得力が足りないことを痛感しているのではないでしょうか。
コンペ慣れしていない、営業が受け身中心だったので顧客の課題を聴き取るヒアリング力がない、要望を満たす提案力が足りない、新規営業に対する抵抗があるなど、メンバーのマインドから変えていかなければならなかったりとマネジメントは悩まれていると思います。
「グループ外から新規商談がほしい。」「効率の良い販売活動ができていない。」という話を、クライアントや知り合いからよく耳にします。実際、Sansanの「BtoBマーケティングに関する実態調査」では、全体の9割以上が「BtoB事業でもマーケティングは重要」と回答。企業規模を問わず重視しているという結果が出ています。
受託サービスで効率よく商談を生むにはどうしたら良いのでしょうか。
WEB受託サービスを展開するとある企業で、似たような状況から2年後に新規売上の40%をマーケティング活動で占めるほどの成果を上げました。大事なポイントとは?
受託商材は興味関心を持ってもらいにくい
SaaSやプロダクト商材は、既存のサービスカテゴリ商材であれば、どのような効能があるかある程度 認知されているので、何を解決してくれるものなのかターゲットは想起しやすいです。
また、機能など、検討にあたり比較できる項目が揃っているので、ターゲットが重要視する購入基準に対して優れた特徴を伝えれば、興味関心を持ってもらえる可能性が高いと思います。
しかし、受託商材は、毎回オーダーを受けて提供するサービスなので「無形」です。成果物は様々なので業務内容で伝えようとしますが、「WEB制作サービス」など漠然としたものになりがちです。そういったものは沢山あるため、興味関心を持ってもらいにくくなってしまいます。
伝える内容を変える
効率よく認知・集客する手段のひとつにオンライン広告があります。広く認知でき、うまくいけばプル型で集客できるので理想的ではあるのですが、営業のような直接ターゲットとコミュニケーションをとれる手段ではないので、バナーや文言など見えているもので興味関心を持ってもらわなければならなりません。
先ほどの「WEB制作サービス」のように、サービスカテゴリ名でコミュニケーションをとりたくなりますが、それでは漠然としていて興味関心を持ってもらいにくいです。
そういうときは、伝える内容を変えることで興味関心を持ってもらいやすくすることができます。変え方の切り口を3つご紹介します。
工程を分けてサービス(っぽく見せる)
例えば受託開発の場合、一般的には概ね以下のような流れでプロジェクトが進んでいくと思います。
1.ヒアリング
2.要件定義
3.仕様設計
4.開発
5.検査
6.納品
7.運用
8.改善
「受託開発」というと、ターゲットがよく想起するサービスは「開発」の部分ではないでしょうか。しかしもしかすると、「予算稟議のために先に要件定義だけ済ませたい」などのニーズがあるかもしれません。
そのとき、「3日後に要件定義書が届くサービス」「かんたんに要件定義ができるツール」など、裏側では実際、人がやっていたとしても、前者の場合は「早く手にはいる」、後者の場合は「自分でも簡単にそれっぽいものを作れる」という効能が想起しやすくなります。
これによって、ターゲット自身も気づかない課題に気付くことで新たな機会を生むかもしれませんし、ターゲットが狭まることで埋もれる確率も低くなるのではないでしょうか。
プラン、パッケージにする
先ほどのサービス(っぽい)見せ方は、工程にフォーカスしたものですが、こちらは特定のターゲットの状況・目的にフォーカスしたものです。
ターゲットの状況・目的に合わせて、専用のサービスをつくりサービス内容を想起しやすくしたものになります。
例えば、初めて利用する企業担当向けに、最低限の満足が得られる程度に一部のサービスのみを提供する「トライアルプラン」、特定の目的に合わせてサービスをカスタマイズした「○○パッケージ」など、大元のサービス内容は変えることはないので、すぐ集客することができます。
セミナー、ウェビナーで「人」の部分を補足
受託サービスは「人」がキーになるビジネスで、デリバリーまでの間に自社独自の技術・ノウハウを持たれていると思います。
そこに価値を感じるターゲットはいると思いますが、オンライン広告など間接的なコミュニケーションで伝えるのは、ボリュームが多くなかなか難しいのではないでしょうか。
そこでセミナー、ウェビナーという手段を活用します。静止画ではなく口頭で説明できるため、多い情報でも伝わりやすくなります。
セミナーのテーマは、ターゲットが興味を持ちそうなものと自社の強みが繋がる内容が良いでしょう。そうすることで、集客しやすく自社の強みも伝わりやすいものになります。
ご紹介した切り口で商材の見た目を変えることで、興味をもって貰いやすくなると思います。次回はどうやって商談を増やして行くか、仕組みと体制の観点からご紹介したいと思います。
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