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花柄ランタンというすてきな二りぐみ

『女子高生と春の焼失』

数年前にこの曲のタイトルに惹かれ、初めてMVを見た。

くりかえし、くりかえし、何度も見た。

世界観に恋をして、歌声、メロディー、映像美、全てに浸った。

好きな音楽を語ることは、自分を語ることだと同義だと思う。

僕の音楽人生はMONGOL800の『message』という1枚のアルバムから始まった。音楽人生と言っても僕は楽器ができない。歌も歌えないので、完全に聞く専門だ。

小学生の頃初めて買ってもらった『message』に始まり、BUMP OF CHICKEN、ELLEGARDEN、Michelle Gun Elephant、Blankey Jet City、尾崎豊、WEEZER、東京事変、OASIS、チャットモンチー、My Chemical Romance、はっぴぃえんど、Radiohead、Arctic Monkeys...書き切れないほどの音楽が僕を作ってきた。

そして、そこに現れたのがこのすてきな二りぐみである。

音と詩を紡ぐのが村上さん。それを語る(歌う)のがぷきちゃん。この二りぐみの織りなす世界観は言うなれば「デジャヴ」だと思う。

わかりやすい共感ではなく、テレビの向こう側に見た憧れた世界ではなく、すぐそばにある懐かしい空間。体験したことがないんだけど、僕の中に確かにある記憶。どこかで見かけた、「平成生まれ昭和育ち」というこの二りのキャッチコピーは言い得て妙だ。

『女子高生と春の焼失』
『生成りのこころ』

このMVに共通するのは、とても長回しで撮られたMVだということ。ワンカットで撮られたMVも二りの世界観をよく表しているように思う。

ちなみに、どちらもヤバイTシャツ屋さんのこやまさんが監督らしい。

ワンカットの作りに納得。ヤバTのMVも(ほぼ)ワンカットで仕上げられている。はず。全部は見たことないと思うから断言できないけど。

「人生は近くで見ると悲劇だが、遠くから見れば喜劇だ」とはチャップリンの言葉だ。

悲劇だとか喜劇だとかそんな高低差のあるものではなく、のっぺりとしたペールトーンの魅力がこのすてきな二りぐみにはある。

一瞬で場を沸かす破壊力ではなく、じわじわと脳を、心を支配されて、ふと気づくと「生成りの暮らし」を丁寧に営んでしまう。そんな曲。




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