話題のChatGPT-4(有料版)について、その文章力を詳しく知りたいと感じる人も多いのではないでしょうか。今回は朝日新聞の天声人語のような「コラム」が書けるのか、ChatGPT-4で実験しました。
お題は「ChatGPTがニュースメディアにもたらした衝撃」です。
一本目は新聞記者を想定しています。
二本目は村上春樹さんの文体で。
三本目は平家物語の文体で。
以上、3通りです。いかがでしょうか。かなり器用な印象を受けました。
個人的には、新聞記事でChatGPTの作成したコラムを掲載するようになったら、その媒体の価値はなくなると思います。とはいえ、ネット上にはこうした文章が増えるのでしょう。今後は、ChatGPTの発想を超える人間ならではのコラムを書けるかが重要になり、筆者の体験を織り交ぜる内容が増えるかもしれません。
一方で、私が個人的に可能性を感じるのは、要約機能です。政府の発表資料や、著名人の講演などを短時間で処理する場合、ChatGPTで初稿を作り、それを調整するという使い方はあるのでは、と考えています。
現在のChatGPTはプロンプト(指示・問い)に文字数制限あります。
例えば、4月7日に開かれたトヨタ自動車の新体制方針説明会。新社長の佐藤恒治さんの冒頭スピーチは3300字余りですが、ChatGPT-4のプロンプトに入力すると、文字数オーバーで受け付けてもらえません。
ただ、文字数が多くても、いくつかに分割するという方法があります。
上記記事を参考に下記のプロンプトを作成しました。
【最初のプロンプト】
変数を[variable]で宣言します。変数に文章や数値が格納されます。変数の参照があったら変数に格納された値を使ってください。OK?
【次のプロンプト】
[sec0]に以下の文章を格納してください。
*文章を分割してX回繰り返す。
【最後のプロンプト】
sec0からsecXまでを参照し、「だ、である」調で、500字以内で要約してください。
こちらが、トヨタの佐藤新社長のスピーチの要約です。
650字余りと、指示を守っていませんが、具体的な部分を中心にまとめました。スピーチの前半部分にあった“私は「クルマをつくり続ける社長」でありたい”といった、佐藤さんの思いの部分が省かれています。
報道機関はChatGPTとどのように向き合うべきなのか。ChatGPTに聞き、この投稿を締めたいと思います。
なお、記事最上部のCGイラストは、StabilityAIのStable Diffusion XLで作成しました。テーマは、Journalists working in an AI-driven world(AI時代のジャーナリスト)です。