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世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド

『海辺のカフカ』を読んだあとに、ご近所ママさんに教えてもらった作品。
ということで、オスメスされたら読んでみるシリーズです。

「深くて暗いところもあるけど、どんでん返しがすごい」と教わって、確かにそうだと思いました。2つの世界の物語が同時に進み、どちらも不思議な世界なので、とっても不思議な気持ちになります。どこかで結びつくだろうと想像しつつ読み進め、だんだん近づいてきたような気がして、最後はそうなったか!という驚きも。

物語の前半と後半でも、感じる印象が違いました。コンピューターの話題から、心の話題に変わってきた感じ。IT業界からカウンセラーに転身した自分自身と重ねてしまったのかもしれません。科学と心は、表と裏のまったく相容れないものように存在しつつ、「心」を通じてつながりが生じているようにも思わせてくれる物語でした。

自分の中にいろんな自分がいる感覚や、自分の感じ方で世界を創り出している感覚。そんなものを主人公が見せてくれたような気がします。
不安や争いがない、でも、喜びもない世界が、本当に幸せなのか?そう問いながら、主人公と大切な女性が「心」を取り戻そうとするシーンが好きでした。

下巻の裏表紙には、「村上春樹のメッセージが、君に届くか!?」と書かれています。受け取れたのかは分かりませんが、不思議な世界を旅できたのはおもしろかったです。

読書のきろく 2020年22・23冊目
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」
#村上春樹
#新潮文庫


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吉村伊織
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