地域の中で生きること
『老いても住み慣れた街で暮らしたい』
地域で活動する中でこの言葉に触れたとき、僕はものすごく衝撃を受けました。
「老い」について子どもも一緒に学び、体験するイベントに参加した時のことです。
それまでは、
「いつまでも若く健康でありつづけよう!」
というフレーズに、何の疑問も持たずに「そうだよね」と思っていました。
健康寿命やアンチエイジングという言葉もあるように、若さや健康を保つことはいいことだと思っていました。
でも、「若く健康な状態」だけを良しとしていたら、大きな苦しみを生み出してしまう、というのです。
年老いたら、健康な状態でなくなったら、自分の思い通りに動けなくなったら、誰かの手助けが必要になったら、・・・
それは悪いことでしょうか?
もう人間としてダメなんでしょうか?
この問いは、ガツンと心に響きました。
確かに、出来なくなることや、困ることは増えるかもしれません。
若く健康であり続けるための予防策や個人の努力も、ある程度は必要なことでしょう。
でも、「老いること」が悪いことだという位置づけになったら、それはおかしいことです。
「老い」は、避けたり、忌み嫌うものではなく、人として生きる上で通る道の一部。
予防と同じように、もしくはそれ以上に、老いを受け入れて老いても住み慣れた街で暮らし続けられるようにしよう。
そのために何ができるのか、みんなで考えて、協力していこう。
『老いても住み慣れた街で暮らしたい』
とは、そんな言葉です。
イベントでは、子ども達と一緒に、
・「老いること」は僕たち人間にとってどういうことか
・もし、困っている高齢者を見かけたら、どんな声かけや接し方をすればよいか
について学びました。
福祉の仕事に直接かかわる方々だけでなく、子どもも大人も一緒に、多くの人たちで考えていく必要がある内容だと感じています。