戦没画学生慰霊美術館を訪れる


無言館入り口にて

美術館に来た。衝撃だった。
 昨年、私は広島の原爆資料館を見学しましたが、それ以上、記憶に残る館になりました。
 広島の資料館は例えば「人影の石」のように当時の原爆の凄まじさを見せ、よって生身の人間はどんな状態になってしまったか、見学者に想像させる館だと思います。
 しかし亡くなった人々の人格や生きていた様を見せるものではない。数千度に達する閃光が、人体に与えた影響を見学者の脳内に映像させると言ったらいいでしょうか。
 しかし、この美術館は戦死した多くの美大生が生前に書かれた絵が展示されているのです。彼らの感性はあの時代だからこそ、才能が強く引き出されていたと思われる。
 そして絵を見ている内に思うのです、あと1年でも長く生きていてくれてたら、どんな作品を描いていただろうかと、。多くの絵を描き、人々をどんなに豊かにしてくれていただろうか、と。
 絵はその人が端的に現れる。時間軸が見える。
彼らが描いた自分の妻や、風景、。
人という生命体でしか持たない感性が絵を描かせる。

「戦争を二度とおこしてはいけない」という気持ちにさせるのは、語弊を恐れず言えば、私の場合、広島の資料館より強いものがありました。
 美術館の名は「無言館」。
 無言館は”戦跡”と言えますが、単純に絵画鑑賞を趣味とする方々も訪れる価値ある美術館だと思います。

戦没画学生慰霊美術館 無 言 館
https://mugonkan.jp

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