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122 叩き台になれ

ぱっと浮かんだ自分の考えに固執しない。
自分の考えはこれまで学んできた知識や経験からできていて、それ以外の要素は欠落していることが多い。
だからといって、自分を信じるなということではない。
自分の意見も踏まえて、他者との「違い」を見つけることが重要になる。


自分が考えていることは他人は考えていないのだろうか。
突き詰めて調べてみれば、この世の中に同じようなことを考えついた人はきっといる。
インターネットで検索すれば、山ほど関連のテーマがヒットする。
そのリソースに当たっていけば、自分と類似の考え方や一歩踏み込んだ領域すら見つかってくる。
自分の考え方は取るに足らない解明済みのお話だと気づく場合もある。
それでも問いを放置せず、詳細に追究して行くならばディープで広大な世界に出会い、自分の興味のままに学びを深めていくことも可能だ。


そして、さまざまな知見に触れてもなお、自分にしかない問題意識というものは出てくるものだ。
「自分はこう思う」という意見はこの段になって初めて主張できるのではないか。
先人の調査、研究を踏まえてもなお、「私はこう思う」は大人しく自分の胸の内に収める必要はないだろう。
しかし先行研究を踏まえずして、自分の考えだけを主張するのは単なる独りよがりに過ぎない。
そんなものは相手にされなくて当然だろう。


逆に言えば、自分が論点を持ち込むことは、先行研究や現在の論争的問題に十分に踏み込むことで可能になる。

寄ってたかって色々と批判されたとしても、意見が別れるテーマであるならば、そこに「あなたの価値」はきっとある。
相手にされ、ああだこうだ言われるならば、それは発展の余地がある。
全体に利益が見込める主張だということになる。


批判に反発するのではなく、類似の議論が過去にないかを調べてみよう。
そしたら、大抵調べ尽くされていることがわかる。
人類は侮れないものだ。

しかし、それでも論点はなお存在しているそれに付随する形で手付かずの領域もきっとある。
調べてもなお、あなたの感性が異を唱えるのならば、その意見は主張する価値かもしれない。
あなたの意見に異議が唱えられるならば、自分の考えだけでなく、みんなが納得できる形に変化させていくことができないか考えてみる。
そこに価値や共感が生まれる余地があるのだ。

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