165 量と質のジレンマ
日々の仕事でこれをしたいと念じることは、容易にできる。
ビジョンを描くことができれば、モチベーションも高まる。
予習すれば、実際にどんな状況が起こるかを予測し、ある程度手を打つことができる。
その上で、先達の話を聞けば、内容の定着度は高くなる。
一方、復習すれば自分がどんな誤解をしていたか、自分の思考様式を知ることになり、改善につながる。
もちろん、単純な正解・不正解なども認識できるが、その背景に何があったのか、どこを直せば同じようなミスを繰り返さないかを考えることができる。
歴史の教訓を現代に活かし、未来を創造するかの如く、自分の行動を内省して改善・修正することはただ真一文字に未来に向かって没頭するより賢明かもしれない。
過去を振り返らなければ、自分がどんなパフォーマンスをあげてきたのか、あるいはあげられなかったのかを、要因も含めて深く考えることは難しい。
調子が良かった時は、すごくパフォーマンスが上がる。
パフォーマンスが良かったり、異常に人を惹きつける現象には何かがあると疑ってみるべきだ。
単純に世の中で騒がれているものには理由があり、分析してみる価値はある。
社会的論争となっているテーマも同じように調べてみる。
物事には、何らかの道理があると考えてみる。
結果的に、スピーディに大量に処理できている人は、考え方や行動の改善を何度も繰り返してきたのだろう。
プロダクトのみに目を奪われてはならない。
そして、スピードを出している時にこそ、質について真剣に考えることができる。
たとえば、今から1年経過した時に300冊の本をとりあえず目を通している状態がいいのか、50冊精読した状態がいいのか。
結果は1年後に間違いなく出ている。
この1年間のプロセスで自分がどんな選択をするのか、どんな読書をするのか。
それは、日々1年後のことを考えるだけでなく、日々自分の過去のパフォーマンスの軌跡と向き合いながら、「これでいいのか?」と自問自答を繰り返す必要がある。
量を優先してスピーディにこなすこともやろうと思うだけでできるわけではない。
どこかで捨てるものも出てきたり、ギアが入ったりもする。
理想に叶ったパフォーマンスをあげるには、大きな方針転換や発見もを含むプロセスにこそ価値があると言えるだろう。
量と質のジレンマに対して、未来と過去の両面からのアプローチで向き合うことで自分なりの理想的な答えが見つかるはずだ。
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