歴史と経済86〜瞬発力〜

獲物を虎視眈々と狙うように、時代の流れを読み、待つ姿勢も重要だ。
現在のコロナウィルス感染拡大の状況はいつ収束するのか予測がつかない。
アメリカ大統領選挙やファイザーのワクチンの治験結果がニュースで報道されたりもした。
一つのニュースが劇的に世界を変化させ、私たちの生活に影響を及ぼす。
そのことを、2020年は教えてくれたのではないか。
そして、見通しがきかない未来に展望を求めたくもなる。
来年、いつどのタイミングで再び世界を変えるニュースが飛び出すのだろうか。
まさに一寸先は闇であり、予想がつかない。

しかし、予想がつかないからこそ想定できる範囲を持ち、その見立てに応じて仕掛けておくことが重要である。
何が起こるかについては、少し調べれば、専門家がさまざまな意見を発信している。
専門家以外でも、未来の世界情勢について情報を得ることはできる。
その中のいくつかは、自分たちの生活にダイレクトに影響し、聞き漏らすことが許されない情報もあるだろう。
未来を予測すると言うと予言者を思い浮かべそうだが、実際には見通しを持つことは少し手間をかければ誰にでもできることである。
もちろん、見通しというものは外れることもある。
2020年のコロナウィルスの登場を正確に予測できた人は少ないはずだ。

しかし、それならそれで予測がどちらに転んでも大丈夫な準備をしておけば良い。
感染症の第二波・第三波世界を襲うのは、歴史的に見ても通例である。
様々な消耗品の備蓄や外出自粛などは徹底して取り組むべき対策であろう。
未来への想定の下、今から行動しておくことは重要だ。
未来に備えた事前調査は、日常やっておくべきことなのかもしれない。
過去のデータや大きな枠組みとしての歴史も、未来予測に寄与する知恵や知見となるだろう。


腰を据えて、じっくり深く物事を考える姿勢は確かに大切である。
一方で、瞬発的な判断や行動も重要である。
一見、思考してさえいないように見える、本能的な決断が物事を好転させることがある。
スピードによって今までの取り組み方が一蹴されることがある。
「無駄な時間をかけていた労力や作業が発見され、じっくり」と称して正当化されていたことにハッとすることもあるだろう。
自分の周囲に活用可能なリソースがあったにも関わらず、それを見過ごして時間を空費してしまっていたことに気づくかもしれない。
緊急性が自分に「何が必要なのか」を分からせることがある。
考えるよりも、行動が自分にとっての「正解」を導き出してくれることがある。
瞬発力が今まで深く考えてきた悩みを吹き飛ばし、全く別角度から解答を連れてくることがある。
考えることによって得られる「答え」もあれば、即断即決即行動によって「選択」すること自体が重要であり、自分で答えを創り出すことが状況を打開することもあるだろう。


発想の転換によって、「今、この瞬間」に「ここ」から必死でやるべきことがあったことを悟ったりする。
ルーティンの強みを盲信していたがゆえに、ルーティンに縛られていたことを自省することも大切だ。
見通しを持ちつつも、今この瞬間に尽力できているかも見ることが重要なのかもしれない。
案外、深く考えることにかまけて、「今、この瞬間に、ここ」で全力投球することを怠っていることもある。

覚悟を持ち、必死で足掻いて捻り出す姿勢も時に求められるのではないか。

いいなと思ったら応援しよう!