
実は操られてる?「色彩効果」の活用事例
普段何気なく生活をしていて、物の色が持つ特性に気づいたことはありますか?
例えば、飲食店のロゴは赤色が多いなぁ・・・とか、家電メーカーや機械メーカーのロゴは青が多いなぁ・・・とか。
本日は、色が持つ特性を活用した事例をご紹介します。
スーパーの入り口はカラフル
色彩効果をうまく活用した事例として最初に挙げるものは、スーパーの入り口に配置されている商品についてです。
スーパーの入り口付近に何があるか、よく行かれる機会のある方はおわかりかもしれませんが、多くのスーパーでは果物が陳列されていることが多いです。
目にも鮮やかな黄色いバナナ、おいしそうなリンゴなどは、年中スーパーの入り口でお客を迎えていますし、5月ごろならビワ、9月ごろなら栗や梨といった、季節ごとに並べられる果物が、訪れた買い物客の目を引きます。
色鮮やかな暖色は、ご承知の通り飲食店の看板やロゴでよく使われていますが、これにはアドレナリンの分泌を促す効果があるそうです。
店先に赤い提灯をぶら下げているお店がありますが、これはまさに最初に目に入る場所に赤を配置し、見た人の食欲を刺激して購買意欲が高める狙いがあるということです。
また、スーパーの野菜や果物といった色とりどりの商品は、「赤→黄→緑→青」といったように、色相順で並べたほうが、色相をバラバラに並べられた時よりも効果的といわれています。
グラデーションで並べた方が、人の視線を引き付けるというわけですね。
最近、衣料品店でもこの傾向はみられます。店先にカラフルなグラデーションで商品を陳列しているのを見かけると、つい手に取ってしまうという経験がある方もいるかもしれません。

ミカンがネットに入っている秘密
冬ごもりの必須アイテム(?)のミカンですが、これに限らず、果物や野菜がネットに入って売られているのを見かけませんか?
玉ねぎであればオレンジっぽい色、オクラであれば緑色。ミカンは赤いネットに入っていることが多いでしょうか?
これは、実際の商品の色よりも、ネットを介してみることでより色を鮮やかに見せる錯覚を利用しているのです。
この現象は「色の同化現象」(フォン・べゾルト効果)と呼ばれています。
「同化現象」とは、2つの異なる色が互いに隣接した場合に、互いに色が溶け込んだようになり、その中間の色に見える現象です。
つまり、ミカンのオレンジが赤いネットによって、赤みが増し、よりおいしそうに見えるということです。
人も色も「補って」より良く!!
スーパーにはこのほかにも、「補色効果」を使っている例があります。
例えば畜産コーナー。
鮮やかな牛肉には、緑色のバランがついていたり、トレイにバランの柄が入っていたりします。
また、マグロのお刺身に緑の大場が添えられていたりしますが、これは「補色効果」を活用しています。
「補色」とは、色相環で真向いの位置にある色同士の関係です。
補色関係の色を合わせて使うことで、それぞれの色がより鮮やかによりはっきりと目に映るのです。
牛丼屋さんの器が青っぽかったりするのも、これを利用していますが、食べるものなので青一色というわけではなく、赤も使われていることが多いですよね。
もしかしたら赤い紅しょうがは同化現象を使っているのかもしれません。

パッケージの色で味がわかる?!
スーパーにはこれ以外にもパッケージをカラフルにしたり、おしゃれにしたりといった工夫が見られます。
特に色は、目に入った瞬間に印象付けることができますので、これを効果的に活用されていることがわかります。
例えば赤は、「刺激的」だったり「情熱的」な印象を与えることができますので、辛い物やたくさん食べたい丼物などに使われることが多いかもしれません。
一方、黒には、「高級感」だったり「重厚そう」といったイメージがある通り、お寿司やお蕎麦といったもののトレイに使われていることが多いようです。
食事だけではなく、チョコレートのパッケージでも味のイメージを色で表現する事例は見られます。
黒はブラックチョコ、濃い茶色はダークチョコレート、白や薄い茶色はミルクチョコレートだったりしませんか?
イチゴが入っていたら、ピンク色が使われていたり、抹茶チョコレートなら深い緑が使われていることが多いようです。
さらに、カレールーはそのパッケージの色で、味(辛さ)がわかるようになっているそうです。
例えば黒は「辛口」、茶色は「中辛」、赤や黄色は「甘口」・・・といった具合です。
子供向けのお菓子などは、ポップな色を使われていることが多いですし、逆に高級なお菓子には黒やゴールドが使われていますね。
健康志向の高まりで、パッケージも茶色くて、ざらざらしたような紙質で作られているものも見られます。
こういった素朴なパッケージにすることで、カラフルなものが並ぶ店内で逆に目立たせることも期待できるのです。
色が持つイメージや、色彩効果を活用した看板や販促物を作ることで、
より高い訴求効果が期待できます。
ぜひご参考いただき、ビジネスを一歩前に進めましょう!