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エンリッチメントはオプションではありません

健康維持と同列で必要なもの

エンリッチメントは、動物たちの幸福と健康を維持し向上する為に不可欠なものなのです。エンリッチメントとは、動物が必要とするすべてのものを満たすことです。エンリッチメントはオプションではありません。

袋に入ったオモチャを自由に取り出して遊ぶ子犬

犬は、嗅ぐ、噛む、引き裂く、漁る、など、多くのスキルをあらかじめ持っていますが、多くの飼い犬はそのスキルを有効に使えるの機会を与えられていません。家庭犬は、これらのスキルを使うことができず、退屈で破壊的になり、フラストレーションを積もらせ、QOL(生活の質)の低下につながることがよくあります。

疲労と満足は別次元

最初に言っておきましょう。エンリッチメントのポイントは、犬を疲れさせることではありません。自然な行動が出る場を提供することです。エンリッチメントはQOLを向上させるだけでなく、彼らの心身の総合的な健康にとって不可欠であり、しばしば彼らを疲れさせるという副次的効果をもたらすだけです。問題は、副次的効果である疲れることがエンリッチメントの最終目標であると勘違いしている人は意外と多い事です。

身体だけなく五感を使う

犬と犬との遊びは、最高の身体活動とエンリッチメント活動の1つです。なぜなら、単に走るような身体運動だけではなく、犬に社会的スキルを使う機会を与えるからです。どの犬と遊びたいか、どの犬と遊びたくないか、異なる犬とどう接したらいいか、ボディランゲージのスキルを磨くことができます。それは、私たちが盛大なパーティーに足を踏み入れたとき、会場を見渡して、誰と話したり関わったりしたいか、誰を避けたいかを見極めるのと同等の観察力と思考力が使われるとみなされます。

ニーズを満たす

では、「種のニーズが満たされている」と話すとき、何を意味するのでしょうか?普通私たちが考えるのは、食料、住居、水といった当たり前のことですが、その他の物理的なニーズについてはどうでしょうか。

ドッグフードを入れて巻かれトイレロールにセットされたタオルに挑む犬
  • 年齢に応じた、安全な医療・獣医ケア

  • 栄養学的に適切な食べ物/おやつ

  • 年齢や体力に応じた運動

  • グルーミング/衛生管理(入浴、爪、歯、耳、肛門腺、その他犬種特有のニーズなどを含む)

  • 環境における全体的な安全性(嫌悪的なトレーニング、乱暴な扱い、強制的なグルーミングや獣医による治療、危険地区で放し飼いにしない、植物、キノコ、薬などの毒物に近づかないなど)

心理的なニーズはどうでしょうか?

  • 安全だと感じる能力(強制された状況でないこと)

  • 動物が怖いと感じるきっかけから遠ざかることができる。

  • 自分の環境を調べることができる

  • 邪魔されない安全な場所へのアクセス

本能的な行動へのアクセス

エンリッチメントとは、その空間にいるだけでストレスを感じような環境は避け、くつろげる空間で生活すること。そして、犬種に応じた行動の機会を与えることです。私たちは、動物たちの中で常に働いている遺伝的要素を無視することはできません。たとえ、あなたが飼っているテリアが小動物を狩ったり殺したりする用に特別に飼育されていなくても、あなたが飼っているボーダーコリーが農場犬でなくても、常に遺伝的性質が働いて、これらの動物にはその犬種特有の欲求のはけ口が必要となります。犬は、単にコンパニオンや抱っこ犬になるために繁殖されてきたわけではありません。現在はそうではなくても、元々は何らかの目的や仕事をするために繁殖されていたものです。そして、ミックス犬、それもドゥードルのようなデザイナー犬または目的を持って飼育されたミックス犬を飼う場合は、その特定のミックスの中で、飼い主ががコントロールできないような特徴が飛び出す危険性が常に存在するは意外と知られていない。 犬の本能的な行動には、どのようなものがありますか?

  • 噛む

  • 掘る

  • 匂いを嗅ぐ

  • 吠える

  • 追いかける

  • ゴミ漁り

  • 狩りをする

  • 泳ぐ

  • 走る・飼う

  • 舐める

  • 解剖・破砕

  • 同族との交流

  • 寝る

飼い主は、犬の日常生活の中で、これらすべての機会を与えていることを確認する必要があります。もちろん、睡眠意外はすべての行動を毎日する必要はありませんが、多様な活動が可能である事は重要です。

ドッグフードが入ったペットボトルをまわして食べ物を得るゲーム

エンリッチメントの効用

エンリッチメントを増やす方法はたくさんありますが、最も簡単な方法の1つは、フードトイや簡単なトレーニング、探索ゲームなどを使って、犬に食事を与えるという単純な行為を、犬の生活の質を向上させる活動に変えてしまうことです。

また、エンリッチメントは、恐がりな犬が環境と触れ合うことで自信をつけるのにも役立ちます。恐がりな犬には、手で餌を与えるよりも良い選択肢となり得ます。しかし、どんな犬も、特に恐怖心の強い犬は、食べ物を得るために相当な努力をすることになります。そんな苦労を背負った動物に、お腹が空いたからと言って無理やり私たちと関わらせるようなことはしたくないのです。もし犬が「自分で食べ物を探したい」「人とは関わりたくない」という選択をするのであれば、常に無償で食べ物が提供されるべきなのです。

参考文献:Enrichment Is Not Optional by Kate LaSala


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