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ハズバンダリートレーニング

Karen Pryor Academy ライブエピソード#5でゲストスピーカー、ローラ・モナコ・トレリが語ったハズバンダリートレーニングについてのメモです。

LAURA MONACO TORELLI (KPA CTP/Faculty, CPDT-KA, TAGteach Level 2)は、Animal Behavior Training Concepts(シカゴ)のオーナー兼創設者です。

彼女のモットーは "Explore the Joy of Learning Together 共に学ぶ喜びの探求"であり、トレーニングは人にとっても動物にとっても楽しく、刺激的で、教育的であるべきだと考えています。

動物病院に行く前にする事

ハズバンダリートレーニングとは特別なことではありません。毎日のなにげない行動がそのままハズバンダリートレーニングとなります。ほんの少しでの違いに気づくことが最初の第一歩だとローラは語っています。

まずは動物をよく観察する事。耳がいつもの傾きと違う、歩き辛そうにしている等の変化を拾えるのは毎日一緒に過ごしている飼い主でしかありません。ただ見るのではなく、常に観察するようにしましょう。

二つ目は、病院に行った時に施される治療や診察を想定して、毎日のトレーニングに楽しく取り入れてみましょう。身体に触れることはもちろん、医療器具に見立てた小道具を見せたり、道具で触ってみたり、音を立ててみたり、日々練習しておくといいでしょう。小道具は本物の医療器具である必要はありません。キッチンの調理器具は代用品として打って付です。金属音を鳴らすもの、ステンレス製の冷たい感触や独特の光を反射する感覚はアイデア次第で簡単に家庭でも再現出来るものです。

トレーニングの始めはシンプルに

ハズバンダリートレーニングと言ってもいきなり採血の練習をしたりはしません。それはもっともっと後のかなり上達してからとなります。
 ▶ 位置につく練習 
 ▶ 楽しいゲームを教える 
 ▶ 一回のトレーニングセッションは楽しく短く

練習の工程

1. 一番初めに位置につく練習(Basic Stationing)をしましょう。 動物病院に行っても、動物が獣医師の前で安定した位置にリラックスして立てることは診療をしやすくします。しっかりと動物と向かい合って、適切な距離を取り安定してその位置を確保できるようにしましょう。
2. 前足でハンドターゲットをしましょう。いわゆる「お手」です。楽しいゲームとしてお手を楽しんでください。嗜好性の高いトリーツでしっかり行動を強化していきます。
3. 道具の紹介をしましょう。本物の医療器具でなくても構いません。医療器具に見立てた小道具を用意します。初めは見せるだけから。見せてはクリック、トリーツを出します。
4. 道具の存在を安心して認知できるようになったら、その道具で身体に触れてみましょう。必ずクリックして強化するのを忘れずに。そして道具で撫でてみたり押してみたりできるようになるまでゆっくり練習しましょう。
5. やすりや電動歯ブラシのような、音の出るもので練習しましょう。電気器具でなくても、鎖やブリキ缶のように触れば音がでるものでもいいでしょう。電気器具はまず、もちろん見せるところから。そして動物から離して作動させ音だけを聞かせます。何事も、動物がリラックスし集中ていることを確かめながら次の段階に進んでください。

クリッカーの使い方ヒント

ヒント1:道具や触診の練習をしている時は両手がふさがっていてクリッカーが持てない、または持っていてもタイミングよく鳴らすことができないかもしれません。そんな時は、舌打ちでクリッカー音の代わりにしたり、言葉(よし、グッド、イエス、など)を使っても構いません。動き回る必要はないのなら、足元にボタン式(ボックスではない方)のクリッカーを置いて足で踏んで鳴らすこともできます。

ヒント2:爪切り、爪磨きの練習は、動物とする前に、飼い主自身がパスタを使ってしておくと、爪切りの感触が事前につかめます。飼い主自身が道具そのものに慣れていることがとても重要です。

最後に

身体を触るトレーニングチャレンジと合わせて、毎日の生活の中で楽しく練習を続けていくことが大事です。ハズバンダリートレーニングだと気負わないで、日々の何気ない行動がハズバンダリートレーニングになることをお忘れなく。



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