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バケツゲーム

バケツゲームとは動物の行動管理とトレーニングのスペシャリスト、チラグ・パテルが考案した犬とのコミュニケーション方法です。

用意するもの

トリーツが入る小さなバケツ
バケツの中に入れるトリーツ

コンセプト

医療や健康ケアにおいて、犬の同意を得て作業を進めるための犬とのコミュニケーション方法です。言葉を持たない犬が、ハンドラーにその意思を伝えるのに吠えたり、噛みついたり、唸ったりという、ほぼ叫びに近い表現方法を取らなくてもいいように、犬のささやきを可視化するのが目的です。

仕組み

犬が、側に置かれたトリーツ入りのバケツを見ている時は「OK」を意味し、身体に触れたり、爪を切ったり、治療をしたりできます。犬が、バケツから目を離したら「ちょっと待って」を意味し、速やかにハンドラーは動きを止め犬を扱うのを止めます。バケツを見るか目をバケツから離すかで、自分の意思をハンドラーに伝えることができることを犬が理解できれば、犬は自分の意思表示を叫ぶ(吠えたり、唸ったり、噛みついたり)ことなく表現することができます。

練習方法

1. バケツにトリーツを適量入れます。
2. 犬に見せます。バケツは犬の鼻先に出すのではなく、犬の前方高めの位置に提示し、見る事はできてもバケツに触れないようにします。
3. 犬がバケツを見たらトリーツをあげます。
4. これを繰り返し、犬がバケツを見るとトリーツが出ることを理解し、バケツ見つめるようになったら、少しずつバケツの位置を下げて行き、最終的に床に置きます。
5. 犬がもし見つめるだけでなくバケツに触れようとしたら、取り上げるのではなく、そっと見上げれるようにバケツを持ち上げます。バケツが少し高所に移動する、これが犬への「見て」のキューになります。
6. バケツをリラックスして見つめるようになったら、犬がバケツを見つめている間に、横で手を動かします。犬がバケツを見つめるのを止めてハンドラーを方を見たら、手の動きを止めます。
手を動かしてもバケツを見つめたままなら、犬の耳や首筋に触って見ます。その時またバケツを見るのを止めたら、触るのを止めます。
7. バケツを見ていると続行、バケツから目を離すと中止、を繰り返していると、犬はこの動作で「止めて」「触っていいよ」を表現できることを学びます。

選択権を加える

バケツを見ることでしかトリーツを得ることが出来ないのではなく、他の方法でもトリーツを得ることができるように環境を設定することで、それでも犬がバケツを見続けるという事は、それは動物の自らの選択した行動となります。
トリーツをセットしたバケツ以外にも、コングやおもちゃを同空間に置き、それをタッチする事で同等のトリーツを得ることができるようにします。バケツゲームの最中でも、犬が迷ってしまった時はバケツ以外の選択肢でトリーツを得ることができることで、犬の自由を保証できます。

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