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トレーニングを成功に導く六つの基礎知識

Karen Pryor Academy ライブエピソード#6では、ケン・ラミレスが2020年1月に出版した本「Eye of the Trainer」から、トレーニングを始める前に、またはトレーニングに行き詰まったら、必ずここを読んで欲しいと言う章が紹介されました。

クライアントを指導したり、また自分自身のトレーニングを見直す時に、何度でも何度でも見直す大事な6項目があると、ケンは語っています。では順番にここでご紹介していきましょう。

1. 適切な強化率の維持

強化率が高ければ大概の問題は改善でき、動物の学習速度も早いのです。しっかり強化率を上げて、動物がトレーニングに集中できるように促します。

2. トレーニングの時間は楽しく

難しいものや新しい行動を習得することばかりに集中しがちですが、必ずトレーニングは楽しいものにしましょう。もちろん難しいことにチャレンジしたり、新しい行動を習得することは大事ですが、トレーニングの途中で、すでにできる得意の行動を挟んで強化率をあげたり、楽しいゲームを挟んだりして、動物がリラックスして楽しくトレーニングに参加していることを確かめながら進めることにより、トレーニングを成功させやすくなります。

3. 動物の一日を退屈なものにしない豊かな環境設定

トレーニングは動物の1日のうちのほんの僅かな時間でしかありません。豊かな生活環境を作り、心に隙間を作らないようにしましょう。ゆっくり休める場所やリラックスできる時間は必要です。しかし、退屈は時にして望まない行動を引き起こしたり、心身の病の元にもなります。トレーニングのことばかり考えがちですが、動物が1日を通して心身ともに健康に過ごせるように配慮しましょう。

4. 成功の基盤となる基礎行動のトレーニング

複雑な行動を教える前に、しっかりと基礎となる行動が身についていることを確かめましょう。この基礎行動は繰り返し練習するべきです。基礎行動とは、ステーショニング、ターゲット、待て、呼び戻し、持って来い、拾う、放す、押す、引く、後退、スピン、などなどです。

5. 感情を表すボディランゲージを読む

動物が何を体験しているのか、トレーナーの動物のボディランゲージを読む力は必要不可欠なものです。当然のことのように思われていますが、動物の反応の解釈ができなかったり、動物が表しているサインを見過ごしてしまっていることが驚くほどに多いのです。不安を抱いていたり、怖がっている場合はただちにトレーニングを終えるべきだし、退屈そうにしていたり集中できなていい場合は、トレーニングの内容を見直すべきです。

6. 関係する人々とコミュニケーションを取る

トレーナーが動物を焦点を置くのはわかりますが、自分以外の人で動物に関わっている人々とのコミュニケーションを十分に取っていないことが多々あります。優秀なトレーナーは、周りの人と一緒に仕事を進めていき、同僚、クライアント、そしてクライアントの家族ともしっかりとコミュニケーションを取っています。

動物を一番に Animals come first

これらの六つの基礎知識よりも何よりも大切なのが、何をするのも動物を1番に考えることです。動物が幸せで快適ならば、トレーニングがスムーズにいくからです。

いかがでしたか?朝一番に、この6項目にさっと目を通してから、動物と関わってはいかがでしょうか。成功するトレーニングをプロデュースするためにも。

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