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自信と集中力を養うパターン・ゲーム

Karen Pryor Academy ライブエピソード#36ではレスリー・マクデヴィット氏をゲストスピーカーに迎え、不安や注意散漫、反応性の高い犬が自信と集中力を身につけるためのパターンゲームとは何かを聞きました。

Leslie McDevitt(MLA, CDBC, CPDT-KA)

世界的に人気の高い「コントロール・アンリーシュド Control Unleashed」シリーズの書籍とDVDの著者であり、彼女の本は多くの言語に翻訳されています。コンパニオンドッグ、パフォーマンスドッグ、ワーキングドッグが非常に厳しい環境下でストレスなく最適に機能する方法を学ぶために、世界中の人々が、彼女の科学に基づいた方法を学んできました。他犬、人、音、予期せぬ出来事などの刺激、様々なことに敏感に反応する犬をお持ちの方に、レスリーは楽しいカウンターコンディショニングゲームを数多く考案しています。レスリーは会議の登壇者として人気があり、クリッカーエキスポのプレゼンターやペンシルバニア大学ワーキングドッグセンターのコンサルタントを務めています。

パターンゲームが生まれた背景

レスリーはドッグスポーツトレーニングクラブで、環境に過敏に反応してしまい、トレーニングクラスにも参加できない犬を多くみました。ドッグスポーツに初めて挑む犬にしてみれば、新しい環境、初めて見る道具の数々に不安や恐怖をもってもおかしくはありません。また、飼い主の方もドッグスポーツ初心者であれば尚更、犬をどう扱っていいのかわからず、せっかくドッグスポーツを楽しもうと参加したクラブで途方にくれてしまうのがクラブ内で問題になっていました。そのためレスリーは、「練習に参加できるようになるためのクラス」を教えるようになりました。

スポーツクラブでの活動とは別に行っていた応用行動分析を用いた行動修正をクラスに取り込み、犬には何が見えているかを軸に、犬がクラスに参加できるようにトレーニングを計画しましたが、リアクティブで困っている犬を助けることに力を尽くすようになったとレスリーは語っています。つまり犬がスポーツクラスに参加するかどうかは最終目標ではなくなったと言っています。

参考にしたプロトコル

エメリー・ジョンソン・ヴェーグのスタートボタン行動(注1:Start Button Behavior)ローラ・モナコ・トレリのハズバンダリー・トレーニングが、犬指導型としてレスリーのパターンゲームの基礎となっています。それにカレン・L・オーヴァーオールのリラクゼーションプロトコルで使っているルール・ストラクチャーを取り入れています。犬が信頼できるルールの中でパターン行動をする間に、馴染みのない刺激を無理なく処理する機会を与えるのが目的です。処理された刺激はそのうちパターンに取り込まれパターンの一部となります。

パターンゲーム<Supper Bowl>

用意する物
 ● トリーツ
 ● フードボール 3個
 ● クリッカー

手順1
1. ボールを床に歩幅ほど離して置く
2. 一つのボールの前に立ち、ボールを挟んで犬と向き合う
3. ボールにトリーツを投げ入れる
4. 犬がトリーツを食べてハンドラーを見上げたらクリック
5. トリーツをボールに投げ入れる
6. 3-4を繰り返す

手順2
手順1にハンドラーを見上げたらクリックする代わりに、隣のフードボールにハンドラーが移動しトリーツをそのボールに入れる。「犬が見上げる」がキューになりハンドラーが動く。

パターンゲーム<Give Me Break>

用意する物
 ● 椅子
 ● トリーツ
 ● 犬がウロチョロしない限られたエリア

1. 椅子を適当な位置に設置して座る
2. 椅子から立ち上がり離れたところにトリーツを置く
3. 犬がトリーツを食べている間に椅子に戻る
4. 犬がハンドラーのとことに戻ってきたら、立ち上がってトリーツをまた離れたところに置きに行く
5. 3-4を繰り返す
6. 最終的には椅子を無くす

トリーツを食べたところから椅子(ハンドラー)のところに戻って来るまでに障害物や行動を少しずつ取り込んでいきます。犬がハンドラーのところに戻って来るのがキューになりハンドラーが動き次のイベントが開始されます。

このゲームで犬は自ら行動を繰り返すようになり、またどんな場所でもハンドラーを探すようになります。

レスリーの著書には数々のパターンゲームが紹介されています。

注1:Start Button Behavior
スタートボタン行動とは、私たちの犬が何か他のことが起こることに対して「はい」と言うために行う行動のことです。例えば、私の犬はブラッシングの前にあごを休ませる行動をします。スタートボタン行動の鍵は、あなたの犬がそれを行うための選択肢を持っていることです。彼はそれをしないことによって、ノーと言うことができます。



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