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公認会計士がBig4監査法人を分析・比較してみたPart3-Deloitteトーマツ③-
前回は、人員構成の時系列分析から見えるものについて考察しました。今回はその続きです。
前回は全体の人員構成推移で見ていました。
そこから公認会計士にフォーカスし、その数、その全体に対する比率の時系列比較してみます。
グラフ化してみました。
監査法人における業務の要の公認会計士の減少トレンドが著しいことがお分かりかと思います。よりリアルですね。。今後入社を検討される受験生の方は、リクルートの中でトーマツ自体がなんと言おうとも、公認会計士たるもの、数字から見える事実として把握しておくと良いと思います。
また、これらの数字からしっかりOJTを実施してくれる諸先輩がいないのではないか?くらいの懐疑心を発揮できると良いかも知れません。事前に知っているのと知らないのではその後の動き方にも影響します。
下調べをし事実の数字から仮説を立てて、検証する、その後のアクションを考える。監査手続をしっかり把握し実践できるようになれば応用範囲はものすごく広いと思います。監査って毎年毎年行われ諸先輩が築き上げてきた、公認会計士のみに与えられた最強の普遍的なフレームワークみたいなものだと思ってます。監査ができれば何でもできると常々思っている根拠の一つです。この辺もいっぱい語りたいことがあるのでまた別の機会に。
受験生としては具体的には上記を説明会で質問をする、法人内案内の際そこで働いている人の状態を気にしてみてみる、OB OGに実際に話を聞く等のはいかがですか。そんな簡単にできない、やり方を知らない、わからないなどはあるかと思いますので、今回はこの連載をご参考にして頂き、詳しくはまた別の機会に。
そんな中で、入社を検討する受験生目線からトーマツのいいところを事実を踏まえて深掘りしていきたいと思います。
◉トーマツの特徴として、OJTがしっかりしていると思います。
他のBig4監査法人も経験したトーマツOBとして、トーマツの良いところは、OJTがしっかりしているところであると断言できます。この辺りはどの法人も自称しているし公開情報、リクルート情報などでは出にくい・伝わりにくいかも知れません。
研修制度にBig4監査法人で大きな差はないと思いますが、普段の業務の中で諸先輩方が丁寧に(時に厳しく)OJTがあるのはトーマツが抜きん出ていると思います。公認会計士として、プロフェッショナルとしての仕事の仕方、マインドの持ち方、結果へのこだわり、など「型」を4年で身につけられたのは間違いなくトーマツのお陰です。
さらに、私はトーマツはトーマツでも東京でない都市圏の地方事務所OBなのですが、
トーマツ東京事務所よりこのカルチャーは顕著だと思います。理由としては、東京事務所と異なり、関与する業界・業種の分業がない・3−5人の少人数チーム編成により一人当たりの監査業務における貢献度が重要となっており、しっかりOJTして育てなければならないという環境がずっとあるからだと思います。このほかにも良くも悪くも会社人っぽい社会人としてのルール・今時なかなかわざわざ指導してくれないことまで厳しく指導頂けるのではないでしょうか(私自身、ご指導頂き、後輩へもしてました)。
若手の方や受験生の方は、そんな細かいこと、古い慣習どうでもいいじゃないか、今時古いですよ、面倒な手を動かす周辺業務(対内部・外部日程調整業務、監査調書整理(電子・紙)、バウチング(証憑突合)などなど雑務と呼ばれるもの(雑務という仕事はこの世にはないと思っており普段私は使うことのない言葉ですがイメージを湧きやすくするため使用します))はアシスタントもいるし公認会計士がやるものじゃない、AIがそのうちやる業務だろ等々思うところもあるかと思います。こんなのアシスタントにやらせればいいじゃないですか、みたいな。(トーマツではないですが実際に後輩に言われたことあります。)
気持ちはめちゃくちゃよく分かります。が、この点について、自分で最速に業務完遂できる「型」がないのに人やツールにお願いする・やらせることできるのかな、と個人的には強く思っています。「型」を身につけるには、質問したこと以外のこと・答えだけでなく周辺知識・知見をいかに吸収するかが重要です。そんなことを懇切丁寧にわざわざ指導してくれる人はどこにでもいる訳ではないと思います。トーマツにはいます。
トーマツ以外のBig4監査法人で見た経験では、
最近はパワハラなどハラスメントに当然の如く厳しく先輩方も指導方法が難しいので、しっかり後輩を育てるカルチャーがない限り先輩もあまり踏み込まず、「ありがとう。いいよ残りはやっておくから」、「(質問に対し)これは〇〇(正解)だよ」など優しい言葉をかけてくれます。
これって、優しいどころか最も残酷な気がします。公認会計士あるあるとして、基本的に他人にあまり興味がないです(見ていない訳ではない。意地悪な表現をすると、他人や周りの状況を把握はしている、できる視野の広さは持ち合わせている)。なので、カルチャーという目に見えない監査法人内の空気の下、育ててもらった様に育てるといったことが自然に実施されている点はトーマツの大きな強みとも言える部分だと思います。
◉監査法人就職希望者としての受験生向けの考察として、
Deloitteトーマツは、型はいいから自分でのびのび自身の強みを伸ばしたい、といった人よりはまず王道の「型」を守破離していきたいという人が最初の監査法人とするのには良いのではないでしょうか。ご自身の性格など踏まえ、ご一考のご参考になればと思います。
次回は、以下のPart 1で行った収益性の時系列分析をもう少し深掘りしていきたいと思います。
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