米国発前川のニュースレター
いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
変わった花ですが、馴染みのある植物、ミントです。葉っぱに触れるととてもい香りがしてきます。
隣の家に咲いている花が、うちにも飛んできて育ちだしました。今月に入って流れが変わり始めた様です。
5月の8日から日本に一時帰国いたしますので、2週間ニュースレターはお休みさせて頂きます。 5月6日のニュースレターお送りします。
【株式・為替市場の動き】
先週から2回日本がドル売り、円買いの為替介入をしたおかげで、為替相場は乱高下しました。今日は1ドル153.93円となっています。
もう一回介入がある可能性があるとの予想ですが、どれぐらい円安に戻るのか次第でしょう。円安要因は米国長期金利の上昇による日米金利格差、外国資本による円キャリ―トレード、日本の機関投資家による米国株や債券の購入、ヘッジファンドの円売りなどです。今回の為替介入でヘッジファンドが痛い目にあったとの話も出ていますので、急速な円安のペースが落ちるでしょう。米国の景気減速が表面化してくれば、このままの水準か、巻き戻しが起こる可能性も出てきました。
為替のメカニズムは、市場に出ているドルと円の通貨量の比率が基本ですから、現在の通貨量でみると120円ぐらいが目安となります。
それを考えると今は行き過ぎた円安となりますが、それは異常なドル高と言った方がいいと思います。
先週発表された米国の雇用統計が予想より弱く、賃金上昇も予想より低かったことから、FRBによる利下げ可能性が近くなったとの観測
から今月に入って株価が上昇を始めました。ダウ工業株は176.59ドルプラスの38,852.27ドル、S&P500は52.95ドル上昇の5,180.74ドル、ナスダックも192.92ドル上昇の16,349.25となっています。
【不動産・住宅ローン金利動向】
雇用統計の発表後、米国10年国債(長期金利の指標)の利回りが下がり始めたおかげで、住宅ローン金利も下がってきました。しかし、
まだ30年固定の金利は7%を超えています。15日の消費者物価指数(CPI)の発表で、インフレが収まりつつあるデータが示されれば、
一気に6%台に再突入するのではないでしょうか。
今年に入ってから、インフレが収まっていないことを示すデータが沢山出てきた為に、米国10年国債の利回りが上昇、それに伴い、ローン金利
も上昇し、益々家の購入が難しくなっており、住宅の売買が低迷していました。 今回の雇用統計はかなりのインパクトがあったようで、
リッチモンド連銀のバーキン総裁はこれから景気減速が始まると考えているとサウスカロライナ州のコロンビア・ロータリークラブの講演で述べています。また、モルガン・スタンレーは米国債の買いを推奨し始めました。米国債がこれから値上がりをするとの予想です。
米国債が値上がりすれば、国債の利回りが下がることになり、住宅ローン金利も下がることになります。
これから住宅購入のシーズンに入りますので、住宅価格も上がりますが、金利が下がってくることで、住宅在庫も増えることが期待できます。
この所の金利高にもかかわらず、依然として物件価格は上昇しており、特に割安地域、昨年から値段が下がっていた地域の上昇が大きくなっています。Anaheim, CA+22.8%、 Detroit, MI+14.9%、San Jose, CA +13.6%、West Palm Beach, FL+13.4%、
New Brunswick, NJ+12.8%
一方、値上がりの小さい州はTexas州、Florida州が挙げられます。Austin、TX+0.3%、 San Antonio, TX+0.6%、
Fort Worth, TX+1.9%、Tampa, FL+2.2%などとなっています。
米国で火災保険の審査が厳しくなり、料率も高くなっています。特にカリフォルニアは火災保険を掛けるのに骨が折れます。
その理由は山火事などの自然災害の増加です。現在火災保険の見積取得に平均15日必要と言われています。
カリフォルニア(山がちな地域)、テキサス、コロラドなど要注意です。
【経済の動き】
先にも言いました弱い雇用統計のインパクトが市場を動かしています。株高、債券高、長期金利下落に繋がっています。
先行き利下げ観測に楽観論が出てきました。雇用統計が思ったほど強くないので、さらに景気後退が来ると予想する投資家、エコノミストが増えて来たようです。これで、FRBが7月に利下げとなればかなり株価が上がるのではないでしょうが。ただし、その景気後退の深さ次第ですね。大きな景気後退が来ると見るか、ソフトランディングすると見るかはここ数カ月のCPI, PCE, 雇用統計、GDPなどの指標次第です。
市場調査によると、雇用は十分にあるとの回答が減り、職を得るのが困難との回答が増えています。消費者信頼感指数が下落しているのです。
実際に景気は落ち込み始めている様ですが、そのデータが同発表されるか次第ですね。
4月30日の公開市場委員会(FOMC)でFRBは利下げはしなかったものの、米国債の買取再開を発表しました。
昨年来、FRBは米国債が償還されると、再投資はせず、米国債の保有を減らしてきました。しかし、今月から米国債の再投資を開始すると
発表したのです。 実は我々の不動産金融業界にとっては大きなことで、米国債の購入量が増えると、米国債の利回りが下落しますので、
ローン金利が下がる可能性が大きくなってきます。
コロナ、ウクライナ戦争などでBRICS諸国は米国債の購入を止めたり、売却したリしていました。これは米国債利回りが上昇する圧力になります。その時にFRBが国債購入を止めたので、なおさらです。
また、米国財務省の発表によると今年の税収が大きく減少。国債発行による資金調達が必要なこのとこのFRBのポリシー変更に繋がっている様です。発表される経済データでは、GDPは伸びており、雇用、消費も強く所得の上昇率がインフレを上回っているはずではなかったのか?
税収が減っていると言いう事は、実は不景気に入っていることを証明しているようなものですね。
また、米財政がかなり厳しい状況にあることから、ウクライナ支援、イスラエル支援など大きな財政出動を否決していた上下両院がいきなり法案可決したもの、援助ではなく貸付、その担保は日本の保証となれば、バランスシート上は問題なしです。
国債の発行が大きくなると、国債利回りが上昇して、大きな景気後退の可能性が高まります。その為、米国は日本に財政支援をコッソリと裏で
岸田首相に頼んだ考えられます。これから、米国の経済のかじ取りはかなり難しいところに入って来ている様です。
【今週の???な国際ニュース】
1968年、今年と同じような出来事がコロンビア大学でも起こっていました。その出来事を基に『イチゴ白書』と言う映画まで作られました。
ベトナム戦争に抗議して学生が1週間ハミルトン・ホールに立て籠った末、警察隊に強制排除されました。
当時学生は非暴力的な抵抗を繰り返していたために、政府の強権的な姿勢が問題になりました。
4月17日に同じコロンビア大学で起こったイスラエルのガザ進行に抗議して、学生ら数百人が警察に排除され、108年が逮捕された事件は一見よく似ているけれど、内容が大きく違います。今回の抗議デモを率いていた学生らはプロの左翼活動家から数カ月にわたって訓練を受けていたとウォールストリートジャーナルが伝えています。同じなのは、1968年も2024年も大統領選挙の年です。
1968年当時のアメリカには未だ良心があり、日曜日には多くの人たちが教会にお祈りに行っていました。抗議デモも純粋な気持ちで行われていたと思います。今回の騒動では、どこぞの組織からお金を貰い、学生を訓練し、過激派も学生に紛れて暴力的な行動を起こしています。純粋な学生の抗議ではなく、お金で動く過激派の学生利用です。4月27日にワシントン大学で逮捕された学生の中には、大統領選挙に緑の党から出馬しているジル・スタインが含まれていました。バイデン大統領は反ユダヤの抗議行動を非難する。また、パレスチナ人に起きていることを理解しない人たちも非難する、とどっちつかずの立場です。
米国アイビーリーグの卒業者を積極的に雇う会社が少なくなり始めている様です。
【豆知識】
米国で家が一番高く売れる月は?
5月
2月
4月
6月
3月
最も高く売れない月は?
10月
【今日の住宅ローン金利】