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米国発前川のニュースレター

いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
先日、不思議な雲が出ていましたので、よく見てみると、
何と、クエスチョンマークが出ていました。
最近の米国経済の動きはまさにクエスチョンです。
 4月8日のニュースレターをお送りします。

クエスチョンな雲

株式・為替市場の動き】
4月8日、ダウ工業株は若干の下落で11.24ドル安の3万8,892.80ドルとなりました。S&P500も小幅な下落、ナスダックは+5.43ドルの若干の上昇で終わりました。4月10日消費者物価指数(CPI)の発表がありますので、様子見と言ったところでしょう。
ドルは0.2%安となったものの、日本の実質賃金が前年比1.3%減少し円が売られたために、ドル円は151.80前後で推移しています。 尚、日本の実質賃金の減少は1年11か月連続となっています。賃金上昇率からインフレ率を引いた消費できる実質の手取りの賃金が下がっているという事で、日本経済の先行き不安の表れが円安の1つの原因となりました。10日発表のCPIの予想では、若干のインフレ低下が見込まれていますが、ほぼ横ばいだと予想されています。円安は当分続きそうです。
 
 
【不動産・住宅ローン金利動向】
不動産の売り物件数が増えていると、今年に入って何度かお伝えしていますが、3月は23.5%も増えています。その影響か? 
値下げして売れた物件の数が15%も増えています。南カリフォルニアでは未だ物件の取り合いで、物件価格の上昇が止まっていませんが、
全米を見ると値段が下がっている都市がかなり見受けられます。
州単位でみると、フロリダ、アリゾナ、テキサス、オレゴン、ワシントンなどとなっています。
因みに値上がりしている都市は、ロスアンジェルス、リッチモンド、ピッツバーグなどです。(サンフランシスコはー7.6%下落)
(*このデータは今年に入ってからのものです。)
昨年末から今年にかけて住宅ローン金利が一旦6%台に入り、その後7%台に逆戻りしており、物件の売り主にとっては物件の買い替えにとっては決して良い時期ではないのですが、物件の売り出し数が増加している理由は何なのかを考えてみました。
パンデミック以前は春から夏にかけての不動産売買のシーズン突入を控えて必ずと言っていい程不動産売り物件の在庫が増えていましたが、
2022、2023年はそうなりませんでした。この時期に在庫が増えて来た理由としては、徐々に物件価格が下がる傾向にあるので今が売り時と考える売り主が増えてという事でしょう。南カリフォルニアではその傾向が未だ見られませんが、上記の州ではその傾向が見え始めています。
例えば、投資家は物件価格がが高い時に売却して置き、次に来る底値の時に有利な条件で度購入しようと思っているのでしょう。
或いは、この所の米国経済の強さから、ローン金利が上昇する可能性もあり、そうなれば購入希望者が減ってさらに物件価格が下がる可能性があるので、これ以上待っているとリスクが増えると考えてるかもしれません。また、経済指標は強いけれで、家のローンを払い続けるのが辛くなってきたオーナーが家を売り始めているとも考えられます。中低所得層はフルタイムからパートタイムへのシフト、労働時間の減少などで、
副業をすることを余儀なくされている世帯も多く、クレジットカードの残高が増えて来たり、未払いが増えているのがデータで上がって来ています。借金をきれいに払い切るために、パンデミック以来、約50%も値上がりした物件の売却益によって一気に清算をしようとしている可能性も大いにあります。物件価格の値上がりの為、差し押さえが低水準で推移しているのでしょう。物件を売っても清算できないオーナーは少ないのです。 この所の米国経済の底固さを示している経済データから米国10年国債の利回りがじりじり上昇しています。それに従って、長期金利が上昇し、ローン金利も上昇しています。しかし、統計では、インフレ率は下落速度が落ちてきているのに、収入の上昇率が下がっていますので、 実質収入が下がっており、そのことが今後は徐々に物件購入の需要を減らしてゆくと考えららます。今後金利の更なる上昇或いは、高止まりは物件価格を押し下げる方向に向かわせると考えられます。
 
 
【経済の動き】
ここらで、マクロの視点で再度経済を見てましょう。今年に入って、米国経済指標はインフレ率の低下率の縮小を発表しています。
インフレがもう低下しないで、逆にインフレがまた高進するのではないかと不安にさせるほど、雇用統計も強いデータが出ています。さて、このまま 高インフレ、高金利が続き、株高、円安が高進するのでしょうか?
先のサブプライム問題、リーマンショックなどを予想した投資家、JPモルガンのCEO,ヘッジファンドのCEO、カリスマ投資家などは
違う意見を持っている様です。
パンデミックによるお金のばら撒きだけでなく、グリーン関連支出、戦争援助、不法移民対策費などによる巨額な財政支出はによる、政府の財政赤字は、インフレを抑制して、経済拡大、雇用安定を同時に実現させるソフトランディングに脅威を与えると考えてます。
簡単に言えば、これから、景気後退、株価下落、高金利、需要減退、所謂スタッグフレーションの可能性がまたあると考えてます。
パンデミック以後、異常なインフレ対策の為の政府は政策金利を急激に上げて行きました。経済データを見ると経済、雇用は強いので、問題なし、このままソフトランディングすると多くのエコノミスト、政府、FRBなどは言っていますが、大きな景気後退は遅れているだけで、いずれは訪れると考えている人たちも多く居ます。以前から私もこの意見に賛成です。
 
その予兆がいくつかあります。政府は財政委を拡大し続けています。国債の利払いは増え続けています。戦時中、不景気の時の財政出動はこれまでにも何度かありましたが、好景気の時の財政拡大は今までありません。バイデン政権になってから消費者物価は前年比で下がっていません。
米国の富が一部の富裕層に集中し続けています。これは民間消費の力を削いでゆきます。実質収入が下がり、低所得層が広がって来ています。
不法移民、ホームレスの数も増えてきています。インフレ、金利高止まりで実質賃金が下がっていれば消費がいずれは低迷してゆきます。
我々のが働いている不動産、不動産ローン業界は不況も真っただ中です。不動産ローン業に何十年も従事している友人二人と話しましたが、
一人は今年になってローンの取り扱いが1件のみ、もう一人はゼロだったそうです。周りでは、食べて行けないので副業や住宅ローン業界を去る人が多く出ており、ローンオフィサーの数は半減しています。多くのローンオフィサーや不動産業者は個人事業主ですから、失業者には入りません。しかし、実際は多くの人たちが失業或いは、反失業状態です。IT業界も会社は利益が出ていますが、多くの人がレイオフされています。
高金利では大手銀行の業績は上がりますが、中小の地銀、ローン専門の銀行の経営は厳しくなります。どこまで持つかが問題です。
このままインフレ高止まり、長期金利の上昇が続けば、不動産・金利動向のところで述べたように、不動産の価格の下落が来るのは避けられないと思います。株価の下落を見越しているのか?かのウォーレン・バフェットは現金での資産を大きく増やしています。
 
これから、ウクライナは落ち着いてくると思いますが、イスラエル、中東辺りは当分落ち着かないでしょうから、原油価格の上昇懸念があります。原油価格は今年に入ってから19%上昇しています。 中東情勢が世界のインフレをまた引き起こしかねません。
米国の大統領選挙が大事なのその為です。大統領が変われば政策も大きく変わります。
参考ながら、米国のマグニフィセント7と言われる大手ハイテク関連会社の株時価総額は12兆ドルで、日本、イギリス、カナダの株価総額に匹敵します。この7社の株価は米国株の30%を占めています。一極集中は危険です。ITこれれば皆こけた状態にならないとも限りません。  米国が世界の金融の中心であることはこれを見れば簡単に分かります。その米国の株価下落、景気後退となれば、世界中の金融、経済に影響するのは当然ですね。今更ながらビックリするくらい米国株式、債券市場は大きく、世界に影響力を持っています。この巨大株式投資に回ってくるお金は何処からきているのでしょうか? 極端に言えば、米国財政赤字、米国が市場にばら撒いたお金です。 なので、米国の政策が大きく株価、金利、景気に影響を与えます。今年から、来年にかけては大きな転換点になりそうです。
 
【今週の???な国際ニュース】
今日はカリフォルニアの話になります。
先週の金曜日発表の米雇用統計で失業率は3.8%なっていましたが、これは全米平均で、カリフォルニア州の失業率は5.7%となっています。 この数字は全米最悪で、不法移民、麻薬、治安悪化でシリコンバレーからIT企業が次々と本社を移転したり、テレワークで夥しい数の
エンジニアがアリゾナ、テキサス、フロリダなどの他州に流出しています。コロナ以後、カリフォルニアから他州へは573,019名が流出
しています。勿論、流入もあるので人口がこれだけ減ったわけではありません。因みに、ニューヨークからの流出は631,104名、    イリノイ州からは263,780名の流出です。全米では人口は増えていますが。
カリフォルニアと言っても、治安の悪化、生活費の高騰など北カリフォルニアに起こっていることで、当然不動産価格もサンフランシスコを中心とする地域では下落していますが、南カリフォルニアでは上昇。特にロサンジェルスとサンディエゴ周辺地域では不動産価格が上昇しています。
また、カリフォルニアは州の財政がほぼ破綻しています。進歩派と言われるニューサム知事になってから財政赤字が進み続けていて、州政府の
債務は7,570億ドル、ペンションの赤字が8,820億ドル、不法入国者対策で1.6兆ドルの負債を抱えていることが分かりました。
この知事になってから不要なところにお金をかけて(EV補助金、ソーラー補助金、グリーンニューディル)、財政を悪化させ、税金を上げて、なおさら不法移民を受け入れて、万引きなどは無罪放免とし、治安を悪化させ、人口を減らしてIT会社を流出させて、税収を減らして、その埋め合わせで増税と悪循環が止まりません。お陰で、ガソリン価格は他州と比べてガロンあたり2ドルも高くなっています。
これらの政策、どこかの国と似ていませんか? 移民受け入れ推進と治安の悪化、補助金を使ってソーラー、EVの推進、いろんなものの無償化(税金を使って)カリフォルニアは今後の日本を思わせます。大統領が変わり、知事が変わってからカリフォルニアの人口が減り始めました。
何から何まで米国の真似をすることは無いと思うのですが。かつて日本が世界でただ一つの鎖国であった時代に独自文化が花開いたように、日本は日本のままであって欲しいとカリフォルニアに住んでいて思うのですが。
  
【豆知識】
昨年来、家の保険代金が上昇しています。それだけではなく、新規保険申請が断られることも多くなって来ています。大手保険会社は家の保険から撤退しているところもあります。この傾向はカリフォルニア、フロリダで顕著です。山火事、水害、ハリケーン被害の増加などの災害による保険支払額の増大によって不採算となった家の保険からの撤退が相次いでいます。    また、保険代金の上昇により、ローンの申請が却下されたケースも目立ってきました。オファーを出したい物件が決まったら、同時に保険の見積を取ることをお勧めします。見積が出てくるまでに平均15日の日数が必要となっているのが現状で、オファーがアクセプトされても、
高額な保険代金の為、購入できないケースもあります。要注意です。

【今日の不動産ローン金利】

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