お子さんの不登校に悩まれている親御さんへ
子どもが不登校になった時、私が思う一番の解決策があります。
それは、放っておくことです。
実は私は小学校3年生の頃、半年くらい不登校をしていた時期がありました。学校に行くのがどうしてもイヤで、学校に行かないという選択をしたんです。
学校に行きたくない理由は明確にたくさんありました。(先生が嫌いとか、友達付き合いが面倒とか、勉強が出来ない子に合わせないといけない理由が分からないとか、嫌いな体育を我慢してまでやる必要があるのかなど)
でも当時は自分でもなんで学校がイヤなのか分からないし、気持ちを言葉で説明することが出来ず「どうしてもイヤ」という表現しかできませんでした。
当時は不登校に対して寛容ではなかったので、不登校になった直後に親はどうにかして学校に行かせようとしていました。学校の先生からは何度も三者面談や家庭訪問の提案もあったようです。
私は学校に行ったほうがいいことは頭で理解していたけれど、どうしても行きたくないので、自分でも悪いことをしている罪悪感を抱えていました。
でもその時に救いだったのは、母が早い段階で私が学校に通うことを諦めてくれたことです。
私の母は天然で抜けていることも多いのですが、物事をシンプルに捉えることができる天才でもあります。
「娘が行きたくないのなら行かなくていいじゃない。勉強はいつでもどうにでもなるし!」と母は思ったいたようです。
不登校を大問題と捉えていた祖母に対しても「本人が行きたくないんだからいいんですぅ~」と返答していました。すごすぎる私の母。
不登校中の私は何をしていたかというと、人生について考えていました。
友達とどうやって付き合っていこうか、学校行った方がいいけれど行きたくない気持ちをどう解消していこうか、どうしたらもっと学校生活が楽しく感じるんだろうか…。そんなことを半年間ずっと考えていました。
そして出した結論は、「将来やりたいことがすぐ出来るように、基礎学力は絶対に必要。でも自分で勉強するのは難しいから学校に行こう。学校生活をもっと楽しくするために生徒会に参加してクラブ活動も頑張ってみよう」というものでした。
この結論はいまだに私の人生のベースとなる考え方になっています。
当時はそんな考えを言葉にできる能力がなかったので、親には「明日は学校行く」しか言っていなかったと思います。
親からしたら、理由も分からず「行きたくない」と言って不登校になり、半年したら理由も分からず「行く」と言い出してワケが分からなかったと思います。30歳を過ぎて不登校中の気持ちを話したら「そんなこと考えてたの!?」と驚かれます。
いま不登校のお子さんがいたら、可能な限り放っておいてあげてください。お子さんが大泣きすることも怒り出すこともあるかもしれませんが、「言葉にできなくて葛藤しているんだな」と思って、そのまま見守ってあげるだけでお子さんは救われると思います。
みんなが学校に通っているのに不登校を選択する決断をした時点で、ものすごく何かを考えている証拠でもあると思うんです。
お子さんなりの答えが出るまで、親御さんは好きなことをして美味しいご飯を食べてバライティー番組を見て笑って、楽しく過ごしていてください。
「家にいるなら家事を手伝いなさい」って言ってもいいです。全然いいです。
親御さんの愛情はお子さんにちゃんと伝わっています。「ちょっと親として無責任かも…」と心配になるくらい、お子さんの不登校を放っておいても何の問題もありません。