「ちひろさん」① 孤独な時とか進むべき道に悩んでる時に読み返したくなる作品
まだ読んだことない人いたらぜひ読んでみてほしいです。これは文句なしの★5作品です。
風俗で働いていたことを恥ずかしく思ったことは一度もない。だから私は隠さない。あの頃も今も、やっていることは変わってない。
「ミステリと言う勿れ」や「JKさんちのサルトルさん」みたいに主人公が読者に向けて語り掛けてくる系の作品、どちらも面白いと思う。でも、私はこの手のわからせ系作品の一番大事なところは「直接説教などせず、主人公が生きる姿そのものにあこがれさせる」というパターンだと思う。
「横道世之介」みたいな作品が好きな人には文句なしにおススメな作品。
ちひろさんは説教めいたことは何も言わない。ただ彼女を見た人にあこがれを感じさせ、影響を与える
前作に「ちひろ」という作品がある。これは文字通り「ちひろ」という女性が風俗の世界で生き延びる話。こちらはひたすらちひろ視点だった。ちひろが夜の世界を見ていろいろ考えてる作品だった。
これに対して「ちひろさん」ではちひろさんは見る対象ではなく見られる対象になっている。いろんな人間が出てきてちひろさんを見ていろんなことを考える。かといってちひろさんは見世物じゃないので時々主役になってこちらをぎゃふんといわせに来る。
そんな作品だ。
キャラメイクとしての理想形
「実際にこんな人がいたらいいなあ」って人物を生み出して、あとは作品の中で自由に行動させる。
そんな「記録」としての作品。本当にちひろさんというキャラクターが生きている感じが凄く伝わる。
個人的にはpapa told meと同じくらい好きですね……
実際に「ちひろ」という前作があるからこそ、その土壌を経ての本作品なのだけれど、あえて「ちひろ」は読まずにこの作品から読み始めてほしいなと思います。
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