
田中信一郎先生 「企業広告に表現の自由はありません」→「企業広告に表現の自由が認められないなんてことは、一言も言っていません」
なんでもしますから!(なんでもするとは言ってない)
どうしてリベラルの人というのはいつも最初は威勢がいいのにあとからトーンダウンするんでしょうか。つい最近も治部れんげさんが「見たくない権利の話は法律とは関係ない」とか言い出すし、ちょっと姑息すぎませんか。
太田啓子さんが常習犯ですが、今回の治部れんげ氏もそうだし今回の田中信一郎さんもそう。リベラル陣営の人たちは何回繰り返してもこれをやめない。
もう最近では「リベラル陣営が威勢のいいことを言ってたら初手は疑え」ってのが定着しつつあるんですがあなたたちはそれでいいのか。
あっ・・・(察し)
田中先生は「企業広告に表現の自由はありません」ってはっきり言ってるように見えるのですが……
企業広告に「表現の自由」はありません。それを認めれば、資金力の多寡によって権利行使のあり方が決まり、企業経営者の発言力の過度な強化を認める一方、資金力のない人の発言力の低下を認めることとなり、結果的に資金力のない人の「表現の自由」を侵害するから。企業広告は法令等で規制され得ます。
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) April 21, 2022
アメリカでは、企業に「表現の自由」を認めた判決後、選挙で特定の候補等を支援する企業広告が認められ、大きな問題になっています。全体的に、経営者の意見がより反映される方向へ、民主共和両党の姿勢が傾いたと言われています。今の日本ではただでさえ経営者の影響力があるので、それが強まります。
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) April 21, 2022
衆参の憲法審査会で、広告規制を論じているのも、元を辿れば同じ法理です。企業広告に「表現の自由」という権利が認められないからです。企業は、権利保障される自然人ではありません。
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) April 21, 2022
白い饅頭系の人は、そんなことも理解できていないと自白しているのです。
— 田中 信一郎 (@TanakaShinsyu) April 22, 2022
「営利的言論に認められる表現の自由はある種の制約の範囲内にあると解釈されることが多く、表現が虚位・誇大であったり、人々の安全や健康にとって有害な広告は禁止されたり、制限されたりすることが一般に認められている。 」https://t.co/8j8xylAinP
— kamekichi_fi (@KamekichiF) April 23, 2022
このタイプの誤解をしている人はすっごい多いのですが、仮にも学者を名乗ってるんだからもうちょっと調べてから発言してほしい。
法律論としては「医療系広告」など別のルールによる営業広告の規制は正当化されているが、あらかじめ規制するルールがない状態の営利広告を制限するためのものではなく表現の自由が存在しないわけではない
そう、営利表現が、個人の表現の自由と違ってある種の制約を受けるというのは周知の事実。薬機法や景品表示法などですね。
一方で、「ある種の制約」というのは立法論にかかわるテクニカルな部分であり、無条件で適用できるものではない。
法人(企業)の広告に「表現の自由」が適用されない、とする説は誤り。
— ヒロキ (@TweetHiroki) April 23, 2022
広告が、「公共の福祉」から自然人よりも強い制限を受けるのは確かだが、憲法21条の保障を受けないとするのは、少なくとも主説とは言えない。
ましてや、医療広告でもない新聞広告が強い制限を受ける特段の事情がない。 pic.twitter.com/yMyO30SglS
憲法研究家の平先生からも即座に否定される
営利的表現・営業広告の自由も、「表現の自由」が根拠だと解されています
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 22, 2022
例えば、渡辺康行ほか『憲法Ⅰ 基本権』(日本評論社、2016年)228頁〔宍戸常寿〕は、「営利広告」の自由につき「現在の学説は…国民の知る権利に奉仕するものとして、憲法21条によって保護されると解している」と解説しています pic.twitter.com/kPi87BGTeS
また、法人(例えば、株式会社日本経済新聞社)にも、上記の営利広告(営利的言論、営利的表現)の自由が、憲法21条1項の「表現の自由」を根拠として保障されると解されます(渋谷秀樹『憲法起案演習』(弘文堂、2017年)55頁↓と同じ見解です)
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 22, 2022
法人にも、営利広告の自由が憲法21条1項で認められています pic.twitter.com/eD9ff7W7Yk
なお、以下は、上記のツイートと関連するツイート・ツリーです(他の論点についても言及しています)https://t.co/PPvxXK46Ty
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 22, 2022
以上のとおり株式会社日本経済新聞社の営利広告の自由は憲法21条1項の表現の自由の規定で保障されると解されるわけですが、これに加え、広告を出す個人や法人の営利(・意見)広告の自由もまた憲法21条1項の表現の自由の規定で保障されると解されています。つまり2つの表現の自由の問題だということです
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 22, 2022
さらにいえば、日経新聞が講談社の営利広告(全面広告)を掲載した事案でいうと、①株式会社日本経済新聞社、②株式会社講談社のそれぞれの営利広告の自由(憲法21条1項)が問題となり、③コミック作者の表現の自由(憲法21条1項)も関連して問題になります。本件は、三重に「表現の自由」の問題だといえます
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 22, 2022
企業の広告の自由の根拠が営業の自由(憲法22条1項)だとする見解はあるが、企業の広告の自由が基本的人権ではないと言い切る(今日においてもそのような立場しかないと言う)大学の研究者がいるようで驚いています。政治学は同じ法学部の一学科だったりもするのでその授業を履修している学生が心配ですね
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 23, 2022
当該政治学者は、「基本的人権」ではないと述べたのですが、にもかかわらず、多方面から批判されたからか、かなり時間が経ってから、「憲法論」を述べたものではないなどと言い出したようです…。見たくないものを見ない「権利」といっておいて「法律論ではない」と言ったケースと同じで、呆れますね
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 23, 2022
しかし、こんなあり得ない言い訳が許される社会になれば、専門家の権威は地に落ちますし学生も疑ってしまい授業を真剣に聴かなくなりますね…
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 23, 2022
一切断りなく、基本的人権を憲法論のそれとは異なる意味で使ったなどと後で(都合が悪くなってから)言い訳されても意味不明ですし、正直に訂正すべきでしょう
憲法論や法律論ではない話をさも憲法論や法律論を述べたかのように述べ、聴衆を騙し、炎上させておいて、炎上&延焼を達成後に、しれっと、いやあれは実は憲法論や法律論ではなかった、私は間違っていない、誤解した聴衆が悪い、などというのは、「誤解したのなら遺憾だ」という政治家答弁と同じですね
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 23, 2022
複数の学説がある論点で、特定の説(例れば法人の人権否定説)を採るのはもちろん自由です。しかし、当該研究者の政治的・党派的な立場・信条を優先し、自分の採る見解(通説でもない)が唯一絶対の立場・説であるかのように述べ、権威を利用して素人を誤導し、バレたら法律論ではないと言うのは酷すぎます
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 23, 2022
誤解されている方がいらっしゃるようなので、一応補足しておきますが、法人の人権否定説は、憲法学説における通説ではありません。法学部生以外の学部であっても、憲法(人権)の授業では普通に学ぶ(べき)事項の1つです
— 平 裕介 (@YusukeTaira) April 23, 2022
↓ 芦部信喜著・高橋和之補訂『憲法 第七版』(岩波書店、2019年)89頁。 pic.twitter.com/QHg9rs66v0
田中先生が「企業広告に表現の自由はありません」 →「企業広告に表現の自由が認められないなんてことは、一言も言っていません。」と言い出す
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