
「表現の自由戦士」は蔑称なのか問題。「印象派」という言葉はもともとは蔑称だったよねという話
「表現の自由戦士」という言葉が蔑称かどうかという話が話題になってますね。
先に結論だけ書くと、少なくとも
①私は
②現状では
蔑称だと思っているので、この言葉を「蔑称ではない」と言いたいのであればそれは文章の冒頭で明言するのがよろしいと思います。以上。
それはそれとしてちょっとした雑談ネタです。
これは超有名な話なのでご存じの人も多いと思いますが「印象派」って言葉は最初は蔑称だったんですよね。
5分でわかれ!!印象派!! pic.twitter.com/WrZsv7RXVj
— あき🌻『5分でわかれ!印象派』発売中 (@sugokuaki) March 8, 2018
モネの作品を見た美術批評家のルイ・ルロワ(Louis Leroy)は、悪意を込めて”印象”という言葉を使い批評記事を書いたのです。
「まさに”印象”そのものだ!私はこの作品から印象を受けたので…。それにしても何て自由で、お粗末な仕上がりなんだ!
この海の風景画(モネの「印象、日の出」)よりも
出来かけの壁紙の方がよっぽど仕上がっている!」
結果はみなさん、ご存じのとおりです。
まれに「新しい表現」がその後のスタンダードになることもあるので、自分の感覚に絶対の自信を持って理解できないものをこき下ろすというのはやめた方がいいですよ
「印象派」と呼ばれた画家の皆さんは勝利したわけですね。
そして、ルイ・ルロワさんは今でもずっとネタを擦られ続けてるわけです。
「バカにしてドやってた印象派がその後の美術の中心になったけどNDK?
あなたの名前は、印象派を理解できずなかった批評家として歴史に名前残り続けるけどNDK?」
とても面白いことに、印象派の絵をバカにした彼の名前はとても有名となってずっと残り続けているのにその時リアルタイムで印象派の絵画を絶賛していた批評家の名前はあまり知られていないのですよね。
ルイ・ルロワは知ってるけど、テオドール・デュレは知らないって人が多分多いと思う。
美術評論家として影響力を持ち、エドゥアール・マネやギュスターヴ・クールベと親交を持った。また、当初は社会から酷評されていた印象派を擁護し、1878年、小冊子『印象派の画家たち』を刊行した。ここでは、クロード・モネ、アルフレッド・シスレー、カミーユ・ピサロ、ピエール=オーギュスト・ルノワール、ベルト・モリゾの5人を印象派と認め、エドガー・ドガ、ギュスターヴ・カイユボット、ポール・セザンヌ、アルマン・ギヨマンなどは、「印象派ではないが、一緒に出品した優れた才能を持つ他の画家」と整理している。1906年、これを大きく拡充して印象派の歴史をまとめた『印象派の画家たちの歴史』を出した。
こういうこともあるので、表現に関してはあまり自分の感性を絶対視して安易に揶揄しない方がいいと思う。
たとえばmuchnovさん。この人は延々とこの件でオタク側を揶揄しまくってるわけですが結構勇み足が多くて恥をかいているのに全く懲りてない印象があります。
ぶっちゃけmuchnovさんの揶揄発言の滑った事例についてはまとめを作ったら普通にバズるくらいにオイシイネタになってると思います。やらんけど
表現の自由戦士sageにのめりこみすぎてて、正直ちょっと危ないなあと思う。ちゃんとリスク考えた方がいいと思いますよ。
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