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風雲児たちの中でもぶっちぎりの嫌われキャラ「鳥居耀蔵」について

この記事に関連して。

Mさんは鳥居耀蔵のようなメンタルの持ち主であると思う、と書いた。鳥居耀蔵を知ってる人からするとそれはさすがに言いすぎと思うかもしれないし、知らない人からピンとこないかもしれない。


鳥居耀蔵といえばこのコマで批判されている人物のことです

これは大塩平八郎に対する鳥居耀蔵の態度を指して描かれたものである。


鳥居耀蔵は「風雲児たち」における最悪の敵

御存知の通り「風雲児たち」の主人公の半分は「蘭学者」たちである。
後半になればなるほど「徳川幕府を打倒した薩長の人たち」よりも圧倒的に「蘭学者たち」の活躍を描くのがメインとなっている。

その蘭学者の目線で見ると、徳川幕府においてもっとも罪深いのはダントツでこの「鳥居耀蔵」である。彼がいなければ、幕末期に優秀な在野の蘭学者たちが萎縮したり殺されたりする程度は減っていただろう、というのが風雲児たちの論調なのである。

蘭学者たちは他にもいろんな壁にぶち当たってきた。他にも弾圧はあった。しかし他の弾圧はする側にもそれなりの立場や理由があった。まったく正当性がない弾圧で最悪の被害をもたらしたのはこの鳥居耀蔵なのである。

時代劇が好きな人にもとても馴染みがある悪役キャラだろう。

水野忠邦や鳥居耀蔵の悪政から民を守ろうとした「遠山金次郎」が最も有名だが、それ以外にも鼠小僧次郎吉をとらえたことで有名な「榊原主計頭」、それから「翔ぶが如く」で有名な「川路聖謨」の背景を理解する意味でも、鳥居耀蔵のことを知っておくといろいろ捗る。

というわけでぜひ風雲児たちの15巻~18巻はおすすめ。

作者の寿命が先に尽きてしまったので完結しなかったが、全日本人が読むべき不朽の名作であると思っている。



ひとつの悪事でも世に名を残すレベルだが、鳥居耀蔵は「江戸城下町をめちゃくちゃにしたこと」と「蘭学派を弾圧したこと」のダブルで名を残している

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