
「ナポレオン」を読む10巻 リヴォリの戦いでイタリア方面軍の決定的な勝利を手にし、オーストラリアと和約を結ぶ
アイキャッチは「ナポレオン・ボナパルトとフィリップ・フォン・コベンツェル カンポ・フォルミオ条約交渉 1797」。フレデリック・テオドール・リックス(Frédéric-Théodore Lix)画
戦いの中で笑えるやつは強い。笑って死ねりゃ最強だ。(マッセナ)
軍人は命令するが、政治家はほのめかす
前回はオーストリア軍から不利な戦いを強いられるが、兵士を酷使しまくってなんとか3つの戦いを切り抜けた。 やっとこさ撃退したという感じでまだ決定的な勝利には程遠いが、仕切り直しすることには成功した。
というわけで、8巻から長く続いているマントヴァ包囲戦にいよいよ決着をつけたい

フランスは三方面からオーストリアを攻め立てたがカール大公が残り2方面軍を蹴散らしたので、イタリア方面にオーストリア軍が追加された。
ライン方面軍司令官として戦場に復帰する。そしてジュールダン将軍率いるフランス軍に対しノイマルクト、ダイニング、アンベルクにて連勝を重ね、さらにはミュンヘンまで進軍して来たモロー将軍をも撤退に追い込んだ。フランス軍はライン川の西岸まで押しやられ、かろうじてユナングとケールの間の橋を保持するのみだったが、それさえも翌年冬にはカール大公によって攻撃され奪われる。このように彼の働きによってオーストリア軍のドイツ方面での戦況は優位だった
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