
円安の件で黒田さんを批判してる暇があったら「アジア通貨危機」の復習でもしましょう
何度も繰り返し書いてきましたが、景気が過熱するとアメリカは法定金利を上げることによってドルの価値を高め「ほかの国の通貨の価値を下げ、ほかの国の購買力を落として需要を冷ます」ことによって自国の経済を守ります。(今まではそこまで露骨ではなかったけど、今回はあまりに露骨にやりすぎててひどすぎますね)
過去にこれで何度も通貨危機が起きています。経済が脆弱だったり通貨が貧弱な国からどんどんつぶれていくんですね。(正確には弱い国をヘッジファンドが空売りでつぶしてくるのですが)

特に当時はアジア通貨危機の時のタイはドルペッグ制だったからなおさらひどかった。



あの時の「タイ」だとか、1992年にソロスに売り崩されたポンドに、今回は日本円が標的になっているわけだ。
歪みのは一つは日銀の金融政策。評価は専門家に任せるが矛盾を抱えパッチングを繰り返すその姿は海外投資家の目には”脆弱”に映る。海外スペキュレーターは過去に何度も金利上昇に賭けて失敗しているがソロスに白旗をあげたBOEの姿と重ね合わせているとすると攻めやすい円売りは暴力的な動機になる
このあたり、今だからこそマネーウォーズ編を読んでみてほしい。まさに「ソロスが日本を標的として空売りを仕掛けてきたら」というテーマで描かれている。当時はフィクションだったが今まさにこれが現実になりかけている。 漫画では金太郎がオイルマネーを援軍につけてソロスを撃退するが、現実の日本にそんな力はないのである。


今の135円ってどのあたりかというと、まだ当時1997年の状況くらいです。
しかも、現在の日本は、この時より状況が悪いです。
なぜなら
①この時は利上げはあったけどQTはなかったし、ヨーロッパ側での利上げは起きてない
②さらに言えば中国の台湾進攻という地政学的リスクが高まっている
③そして、日本は当時よりずっと経済が弱い。
この3要素があるため、日本円(岸田コイン)は目の敵のように売られてます。
構造的な円安は、日銀の介入程度では止まらない(一時的には止められるけど)
ちなみに、黒田さんに円安何とかしろって言ってる人は黒田さんがすでに1998年に一度ドル売り介入をやった経験があることも知っておいた方がいいです。
財務省の統計によると、1998年4月、1米ドル=140円を超えたところで、財務省は2兆円以上の米ドル売り・円買いの為替介入に出動した。まさに円安を止めるために、何と2兆円もの円買いに出動したわけだ。しかし、それでも米ドル高・円安は止まらず、1998年の夏にかけてさらに150円に迫るまで米ドル高・円安は続くところとなったのだった。
この記事、ここまで調べてるのに、なんで当時黒田さんが円安に対してドル売り介入したことは伏せてるんだ。あほか。
やったけど、その後めちゃくちゃ担がれ大ダメージを負ったという話までちゃんとセットで報道しろよ。所詮日刊ゲンダイクオリティか……。
その点、久保田さんはさすがですね。
1998年11月20日の日本経済新聞に「大蔵省は1998年度の第3次補正予算で、新規発行する国債12兆5千億円のうち、10兆円以上を市中消化する方針」といった小さな記事が出た。これは今後、国債を大量に引き受けていた資金運用部の国債の引き受け比率が、大きく低下することを示していた。そして国債発行額の拡大に伴い、1999年の1月から長期国債は月々1兆8,000億円と一気に4,000億増額される見通しも示され、1999年度の国債発行額は70兆円以上、うち市中消化は60兆円以上との新聞報道もあり、大蔵省資金運用部の国債引き受けが減るのは、第三次補正予算だけでなく、翌年度も急減することが明らかになった。加えて当時の宮沢喜一蔵相は、運用部の債券買い切りオペの中止を示唆するコメントを出した。これをきっかけにして、債券相場は急落したのである。これが「運用部ショック」と呼ばれ国債急落である。
日銀黒田さんは今の状況がどういうものかよくわかってるし無知な国民の声を受けて安易にドル売りだとか、国債買い入れをストップさせるとどうなるか、経験をもって知っている。
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