664. NEJM Journal Watch 感染症関連 2件
1. European Endocarditis Guidelines: 2023 Update
https://www.jwatch.org/na56587/2023/10/03/european-endocarditis-guidelines-2023-update
成人における心内膜炎の管理と予防に関する2015年の推奨が更新された。
主な推奨事項と更新内容
心内膜炎の発症リスクが最も高い患者について、抗生物質による予防の適応が拡大。
・補助人工心臓を使用している患者には予防投与が推奨される。
・心臓移植のレシピエントには予防投与が考慮される。
・呼吸器系、消化器系、泌尿生殖器系、皮膚系、筋骨格系に侵襲的な診断または治療処置を受けている患者には、予防投与が考慮されます。
修正Duke基準に、心エコー陽性と同じ重み(主要な基準)でその他の画像診断(心臓CTAスキャン、PET-CT、WBC SPECT/CT)が含まれた。
心エコーで効果が確認され、患者が安定している場合には、10日目以降に自宅での非経口、経口治療を継続することが推奨されるようになった。
弁膜症手術の適応と時期に、頭蓋内出血や人工弁、ペースメーカー感染などの複雑な状況が含まれるようになった。
心内膜炎チーム(心臓専門医、心臓血管外科医、ID専門医、臨床微生物学者)の役割が強調されている。
特殊な状況(重症患者、免疫不全患者、HIV感染患者、妊娠中の患者など)に対する治療についても詳述されている。
2. Reconsidering CMV Serostatus in Hematopoietic Cell Transplant Recipients
https://www.jwatch.org/na56603/2023/10/02/reconsidering-cmv-serostatus-hematopoietic-cell-transplant
もとの論文はCID。
造血細胞移植(HCT)前のサイトメガロウイルス(CMV)の抗体は、移植後のCMVモニタリングと予防、およびドナーの選択に影響する。診断から造血幹細胞移植までの間に何度も輸血を受けると、CMV血清検査で偽陽性を示すことがあり、一部のCMV陰性患者が誤って陽性と分類されることがある。
診断時にCMV血清検査が陰性で、移植時にCMV血清検査が弱陽性または不確定で、血中CMV-DNAが検出されない場合にHCTレシピエントをCMV陰性に再分類し、HCT後6ヵ月の臨床経過およびCMVウイルス血症を評価。291人のHCTレシピエントのうち、246人がCMV R+で、このうち60例がCMV R-に再分類された。44例はCMV R-であった。再分類されたCMV R-群は白血病が多く、ドナーの77%でCMV陰性であった。CMV R-群はリンパ腫と診断される可能性が高く、ドナーの64%がCMV陰性であった。CMV-DNAは、再分類されたCMV R-群の1例とCMV R-群の3例に認められた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?