ファミリーマートの事例から見る、企業に経営者の思想が伝わる偉大と怖さ。(2019-01-13)
かつて、ファミリーマートはセゾングループという大きな企業の一事業だったそうだ。
当時、セゾングループ社長であった堤清二氏は、コンビニエンスストア事業を始める際にチェーンオペレーションについて、その画一化されるやり方にはあまり賛同していなかったと語られている。
それ故、ファミリーマートのFC(フランチャイズ)化の際の契約は比較的緩いものであったという。FCに参加するオーナーに対して優しい企業体であったという。ファミリーマートとは別に、イトーヨーカ堂を母体に持っていたセブンイレブンは、そのイトーヨーカ堂自体の方針から、FC化の際はかなり固い契約が結ばれたという、オーナーに対して厳しい契約をしたと言われている。
その結果、ファミリーマートは低コストでFCに参加してもらえる強みを活かし、その当時は多く存在していた酒屋を刈り取ることに成功した。
しかし時代は流れて現代。
昼の混雑時などは品薄になることが多い弁当類を例に挙げる。
セブンイレブンは、本部からの要請でFCのオーナーに対して昼時は多めに弁当類を発注するように指示を出すことで混雑時の品薄を減らす施策が行われている。これは契約上、トップダウンが効く状態になっていて本部の意志が優先されることを意味する。
一方、ファミリーマートは、上述のような歴史的経緯によって発注方針がオーナーに委ねられているため、在庫過多になって弁当のロスをなるべく生み出したくないという消極的な心理によって、昼時の弁当の発注を必要以上に増やしてくれないため混雑時に商品が品薄になる店舗もあるそうだ。こんなふうに、トップダウンが効かないことで本体側かたFC店舗のコントロールが難しいという問題も起きているという。
このファミリーマートとセブンイレブンの例から、経営者の思想の違いから生まれた体制は良くも悪くも、何十年か後のビジネスにも影響を与えるんだということがにわかに想像できる。
より多く儲けたければ思想を捨ててビジネスに邁進すれば良いのかもしれない。でも、そうじゃなくて心の中にある信念、社会的意義の達成みたいなところに価値を持っていた場合、経営者(経営のトップ)って役割には大きな不安が付きまとうんじゃないか。そんなふうに考えた。文化の源流になる者として。
金さえ儲けられればいいのか。たぶんそういう人もいると思う。でも、少なくとも僕はそういう価値観ではない。自分の信じた思想があってそれを広めようとしたときに、組織には反発が起こったり、受け入れられたりする。そしてその思想が広まったことで事業がグンと成長したり、その思想がボトルネックになってしまうこともあったり。
そういうことを踏まえると、思想が広まるすごさと怖さを同時に感じた。
果たして、プロダクト開発においてそこまで考える必要があるのかと言われると、この話の展開は抽象度が高すぎると思う。ただ、自分のなかで気になったし、言葉にしておきたいと思ったから書いておいた。
いずれ役に立つのかどうかはわからないけど、
"考えてみた" という事実が大事なんだと思う。
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