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かとうよしかずのこと

もう50年以上生きている。記憶の白濁とともに終焉へ近づいていることを日々実感している。

あと200年くらい生き続ければ、何事か成せたかもしれない。残念ながら50年程度では、簡単に記憶から消え去るようなことばかりである。

小学生の時、夜の学校の校庭で月食を見て感動し、撮影したはずのフィルムには月は写っておらず、光だけがあったことを鮮明におぼえている。ただ、一緒にいた友人は誰だったのか、わからない。

中学でサッカー部と天文気象クラブに入り、楽しい日々を送っていた。極寒の中、猛暑の夜、晴れてさえいれば、望遠鏡をのぞき将来を夢見ていた。雪積もる中、手動ガイドで星空を撮影している姿を望遠鏡をのぞいたまま凍死していると勘違いされたこともある。

高校では、地学部で天気図を描き、バイオリン同好会で歌を唄っていた。3年間通ったはずだが、勉強した記憶は1年しかない。

大学で専攻の語学は、ほとんど勉強せずにBASICで彗星の位置推算プログラムを作ったり、足だけでキーボードを操作する人のための住所管理ソフトなんかをつくっていた。あと、キャンプカウンセラーというのも5年間やった。

良い会社に入らせていただき、11年働いた後、リストラクチャーの波と家庭の事情が重なり、自宅でできる仕事をはじめた。

英語や数学やパソコンの使い方なんかを教えていたら、20年も経ってしまった。

なんかどうしてもやりたいことができて、最近、新しい仕事をはじめた。

新しいことに挑戦できるというのは、楽しいことである。

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yoshikaz
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