ライバル登場『らんま1/2』第4話「乱馬を追ってきた男」感想

雑感

いよいよライバルキャラ・良牙の登場です。
インパクトのある登場の仕方が印象的でしたね。
アニオリも良い感じ。
もうちょっと話が進むと見たのですが、悲劇のシーンで締めくくり。
確かにここのシーンで引いた方が面白いですね。
もう何回も原作で読んでいる話ですが、こうして再構成されると、新たな発見があります。
シリーズ構成の手腕でしょうか。素晴らしいですね。


あらすじ

早乙女乱馬を探し求め、風林館高校にひとりの男が現れた。その名は響良牙。乱馬のせいで地獄を見たと言う良牙は、復讐を宣言し勝負を挑む。思い当たるフシがなく、納得がいかない乱馬をよそに、良牙は果たし状を突きつける。 良牙vs乱馬の戦いが繰り広げられる中、あかねに思わぬ悲劇が…!?
脚本:うえのきみこ
絵コンテ:山崎みつえ
演出:篠原ぱらこ
総作画監督:大津 直
作画監督:岩﨑夏奈、渡邉慶子、亀谷響子、福田裕樹

TVアニメ「らんま1/2」公式サイト

こうして見ると、作画監督多いな……今のクオリティを保ってほしいところですが。
先週の九能と比べると、VS良牙は重要な要素な感じ。新キャラなので当たり前ですが。
ここまで来ると、あらすじ以上の情報が増えますから、あらすじの文章は上手くまとまっていて良いですね。
良牙は復讐と言って乱馬に挑みかかりますが、今回は何の復讐かはまだ謎のまま。いやー何の復讐なんだろうなあ(すっとぼけ)。

キャラクター

響良牙

(CV.山寺宏一)
出ました、永遠の迷い子。
傘一本で大イノシシを倒すという強さを見せながら、壊滅的な方向音痴という圧倒的インパクトを見せつけながらの登場です。
方向音痴は本当にいい設定だなあとこれから先の展開も考えると思います。
さて、格闘シーン。
九能はある意味(今の時点では)かませ犬感があったのですが、良牙は最初から乱馬と対等に闘えるという強キャラ感ありますよね。
また、乱馬は軽い身のこなしを見せつけて器用な印象を受ける一方で、良牙は怪力キャラという差異を見せて、格闘を盛り上げてくれます。最初の登場からこの設定を守り続けたあたり、キャラ設計が上手いですよね。
声優の山寺さんは旧アニメからの続投。
山寺さん本人は良牙は出来ないんじゃないかと心配されていたようですが、まったく違和感なし!
良牙が帰ってきたなぁという印象をうけました。
良牙に対して長文になりがちなのですが、どうしてもやっぱり好きなキャラの一人なんですよね。そのくらい面白エピソードが原作で多すぎる。
これから先のエピソードにも注目しましょう!

みどころ

アバン

スーファミ風で来るとは思っていなかったので、今週のびっくりポイント。
これから先もいろんなパターンが見られるのでしょうか?
楽しみです。

良牙登場

四国の田舎でのとある事件を解決する良牙。
原作の謎英語がアメコミ調に再現されてて笑いました。原作のこういう細かいネタを拾ってくれるのは本当に嬉しい。
キャラ紹介として、腕一本で大イノシシをやっつける力の強さと、迷子キャラをいっぺんに見せるすごく濃厚なシーンですが、時間的にはそんなに長くないという……素晴らしくスマート入り方だなぁと感心してしまいます。
「迷子入るべからず」の看板も笑えます。
原作では「んな注意書きあるかい」みたいなの多いの(「壁こわすな」とか)で、オリジナルでもやられるの楽しいですね。

らんまの女装初お披露目

雨の東京。服を全て洗濯されてしまって、仕方なくあかねの服を借りることになるらんま。
「女の服なんかぜってー着ねーぞ!」
「スカートははかねーぞっ」
この初々しいらんまからしか取れない栄養素がある。うん。

風林館高校にて

お米と味噌を買うから一緒に行かなければならない、と乱馬を追うあかね。
ここはアニメオリジナル要素ですね。生活感感じられていいです。
原作を確認したら、何で乱馬があかねに追いかけられているのか分からないので。
風林館高校にようやく辿り着いた良牙と、すぐに思い出せない乱馬。
でもわりとすぐに思い出したので良心的ではある。
方向音痴も織り込み済みで3日も待っていた乱馬、エラすぎる。
「何であんなに待たされにゃならなかったんだ?」のコマがそのまま再現されているのが嬉しい。壊滅的な方向音痴がゆるい絵で描写されているのがかわいい。
原作のコマ内の小さなコマのネタも拾ってくれたのも嬉しい! 本当に丁寧にやってくれますね。

オリジナルのお米とお味噌

どうでもいいけど、学校のシーンではあかねの髪型はハーフアップだったのに、家に帰るシーンでは毛の先をリボンで留める髪型に変わってるの気になるな……何かの機会に直してほしいですが……。
ていうか味噌を買うって味噌樽だったんですね。そりゃ二人で買いに行かなきゃいけないわけだ。パックのお味噌っていつくらいから出始めたんでしょう? まあそれがあっても天道家は大所帯だから買いだめしたほうが良いのでしょうが。
再開した直後に果たし状を送る→味噌樽の上に置いておいて忘れるの流れもオリジナルですが、自然でいいですね。よく考えると原作で一回帰って改めて果たし状を送ってるの二度手間感があるし。

対決

いちろうの実況で季節が秋に移り変わっていることが分かりますね。
実況は「リングねぇだろ!」「うるせーぞ!」と茶々を入れることで、バランスをとっている感じがします。個人的には悪くない。
パンを受け取るシーンで、背景にPAN、効果音も「ぱん…」と入れるところもゆるくて好き。次には「ぱ ぱん」ですからね。こっちはアニメオリジナル。
復讐はパンの恨みじゃなかったことが明らかになるわけですが、果たして……。
対決シーン、アニメならではの迫力があっていいですね。ぬるぬる動く。

芸の細かい台詞改変

服が切れてしまった乱馬の言葉に「勝負の最中に女子みたいなこと言うなー!」と発言する良牙。
原作では「勝負の最中に…女みたいなことぬかすなっ!!」なのだけれど、地味に変わっています。
「男」と「女」ではなく「男子」と「女子」の「女子」という括りに限定することで、女性全般を指していないこと、良牙という「男子」から見た「女子」像であることが示され、ニュアンスが微妙に柔らかくなっています。それでいて原作の味を損なわない上手い改変には舌を巻きました。

らんまを一目で乱馬だと気づく良牙

地味にすきなんですよね、このシーン。
最初は戸惑うけど、蹴りを一発入れられて気づく良牙。
乱馬に散々辛酸をなめさせられてきたからこその感というか。
まあ、伏線でもあるんですが……。

今週のらんまとあかね

乱馬のピンチにお湯を持ってこようとするあかね。
しかし、バンダナの飛び交う中で転んでしまい、こっちがピンチに。
それを助けにいく乱馬とその隙を狙う良牙。
しかし、乱馬は最適解を導いてあかねを助けます。
ここすき。女の姿になっても乱馬はかっこいい!
しかし抱き合ってることに気づいて気まずい雰囲気に。
ここの恥ずかしがってる顔かわいいなぁ……。乱馬もあかねの髪の匂いが香ってきて凄く接近してることに気づいたんだろうなぁみたいな演出がたまらなくいいです。
心配するとするあかねとそれを厭う乱馬との間で口論になってしまいます。
「好きで抱いてんじゃねーや、ばかっ!!」この言葉が決定打に。
ここのすれ違いがむずむずするなぁ、と。この後で衝撃的な出来事が起こるから忘れがちだけど、こういう心理描写も本当に丁寧で好きだなぁと思います。
そして、悲劇が……。
ここで引きかあと思いました。
今回のアニメは、何回も言っているけど、乱馬とあかねの関係性を特にフォーカスしているので、悲劇に至るまでの流れと悲劇の衝撃をじっくり描くことで、今の彼らの関係性を如実に浮かび上がらせています。もう何度も原作を読んだのに、こういう切り口もあるのか~と感心せざるを得ません。
本当に素晴らしい仕事をしてくれるなぁ。

次回

いや~ホント、演出力と脚本力が本当に高すぎて毎回唸ります。
次回もあのシーンやあのシーンをどう描くか楽しみです。
もう予告出ているから言っちゃうけど、ついでにあれも次回で描ききるんですかね?
本当に毎回楽しいです。

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