ラブ&リスペクト
ライブ : 花田裕之 “流れ” (吉祥寺・Black & Blue、2024年12月8日)
先月、渋谷・流れでチラシを受け取ったのが、この吉祥寺・流れ。チラシによればオープニングアクトは「円盤少女」、本編はバンドセッションあり、とのことである。メンバーは今年4月、やはりBlack & Blueの「流れ」で共演した時と同じメンツ。「Around and Around」や「Route 66」など、予想以上に面白かったので期待大。いそいそと中央線に乗って吉祥寺へ。
ネット情報では「青春パンク」とも評されているらしい、OAの「円盤少女」。いわゆる4ピース+キーボードの5人組。ステージ横の壁掛け時計の秒針を確認して演奏を始めるあたりは、パンクというよりパンクチュアル。おかっぱ頭の中性的なフロント・パーソンはかなりクセ強め。ポップで明るいビートロック。きっちり30分間、元気に客席をあたためてくれた。
ステージが暗転し、舞台中央にはスツールが置かれ、やがて花田さん登場。さっきのにぎやかな5人組が「動」なら、こちらは「静」。花田さんの弾き語りをみていると、物事はこうあるべきとか、こうあって当然、という考えが吹っ飛ばされることがある。そういう「流れ」の自由さや気ままさが私自身、好きなんである。ソロである分の自由さにはもちろん責任も伴うだろうが、きちんと自分で落とし前をつけている分には問題なし。久々の「You’ve Got to Hide Your Love Away」では、吠えるボーカルに目が覚める。「魅惑の酔い」....じゃなくて「魅惑の宵」や「ハイウェイをおりて」などがよかった。
2度目の休憩を挟み、ステージは再び静から動へ。花田さんとドラムス・櫻井佑哉、ギター・安樂将平、ぺース・うのしょうじの各氏のセッションタイム。演目は洋楽カバーを折り込みつつ、サンハウスを中心にたっぷりと。しかし「ホラ吹きイナズマ」や「Mona」、「Leather Boots」までやってくれるとは。出血大サービスにびっくり。でも、うれしい。4人の呼吸がとてもよく合っており、素直に音に入り込めて、素直に楽しかった。深い音楽愛と先人たちへのリスペクトが感じられた。
終演後、 店を出たのが21時45分頃。帰宅してもライブがあった日はなかなか寝付けないのはいつものことだが、この晩はいつにも増して目が冴えて眠れなかった。おかげで翌日はへろへろで仕事にならず。一応だけど社会人として、「こうあるべき」が別にこんな形で吹っ飛ばされなくてもいいのだが、あとの祭り(笑)。