Memorandum(W.C.カラス&Guests, 21 May 2024)
ライブ:「W.C.カラス還暦記念特別興行」W.C.カラス <ゲスト>花田裕之、Shy、ROIKI、コージー大内、梶浦雅弘、岡本雅彦、Chihana(高円寺・JIROKICHI、2024年5月21日)
高円寺・ジロキチには2019年10月にWild Chillun(ゲスト・花田裕之)を観に行ったきりで、およそ5年ぶりの再訪。天井の低い地下の店はイス+立ち見のお客でぎっしり、満員御礼状態。ゲストの面々も合わせ、こんなにたくさんの人がお祝いに駆けつけてくれるなんて、やはりカラス氏のご人徳か。
コージー大内、ROIKI、Shyがそれぞれにユーモアや毒まじりのブルースで客席を笑わせ、沸かせる。また、客席をあたためるだけでなく、カラスご本人を呼んで一緒に歌ったり、祝いの舞いを披露したりと祝賀ムードを楽しく盛り上げる。
"One and only one" とChihanaに紹介され、ステージに登場した花田さんはかなり酔っていたようだが、梶浦(Dr)、岡本(B)、Chihana(G&Vo)らのバンドセットでフル稼働。いつものESではなく、見たことのないギター。なんていうギターだろう? サンハウスの「ロックンロールの真最中」からさらにヒートアップしてゆく会場。Chihanaのご機嫌なスライドギターの「free wheelin’」や、最後にカラスがボーカルをとった「煮しめた軍手」などがよかった。
そして還暦であってもなくても、赤が似合うカラス。カラス&岡本のWild Chillun Rが聴かせてくれたのは、赤いヤッケのおしさんのおはなし(浪曲?)。30分は越える大作(でもこれはほんの一部らしい)だったが、意外にもグイグイ、というかズルズルと世界に引きずり込まれてしまった。折り畳み式を開いてアンテナを立てたりと、30年前の携帯電話を操る所作には笑えた。
ところで、開演前に店の入り口でもらった今回のライブのチラシに、カラスのサインと共に大きい文字で「大罪問」と書いてあった。周りのお客と見せ合うと、それぞれのチラシにサインと共に何かいろいろな名前?が漢字て記してあるようであった。後で気がついたのだが、どうやらこれは浪曲の登場人物の名前らしい。ライブ中、ずっと私はそれを「太左衛門(たいざえもん)」だと思っていたのだが、実は「たいざいもん」だったのか? 大罪問。大きな罪を問う?大いに罪を問う? 何はともあれ、カラスさん、還暦おめでとうございます。(一部敬称略)