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【レビュー】「心感覚(シンかんかく)」を通してみえてくる、不完全学問と完全学問の融合する未来

AIを超えるGI創造者、よしじゅんです。

いつもブログを読んでいただき、ありがとうございます。

今日は昨年12月14日に発売され、Amazonの哲学・思想部門で新着ランキング1位にもなった注目の1冊「心感覚」のレビューを書きます。

私はプログラマーをしているため、いろいろなことをカテゴリー分けする思考パターンを持っています。その思考パターンでこの本を読んだとき、心理学、哲学、教育、思想、宗教、精神世界、どれにも当てはまりそうで、どれか1つに絞るのも難しい不思議さを感じました。

今回は「学問」の観点からこの本を見てみます。

なぜ既存の学問は”不完全”学問だと言えるのか?

著者のノジェスさんは今までの教育を99.9999・・・%の不完全学問だと言い切っています。

なかなか思い切ったことを言っていると思いませんか?

メディアでも「〇〇大学の教授がこう言っています。」と報じられるなど、大学教授の発言というのは影響力のあるものです。

その大学教授たちが何を土台に発言しているのか、それは紛れもなく「学問」です。

その辺を歩いている普通の人よりも権威性を発揮するのが「〇〇大学の教授」という肩書きです。〇〇は東京大学やハーバード大学など有名で優秀なイメージがあればあるほど、力を持ちます。

また、モノ作りをしている企業や薬をつくっている製薬会社など多くの企業は、学問を土台にした「科学技術」を活用してビジネス活動を行っています。

つまり、世の中のほぼ全てと言ってもよい人達に影響を及ぼしているのが学問なのです。

身近な生活用品だろうが、パソコン、スマホ、家の中で目にしているもの、手に取るもの、使っているもの全てと言っても過言ではないほど、学問の恩恵を受けているものばかりでしょう。

職業だってそうです。プログラマー、教師、弁護士、税理士、会計士、全部学問を土台につくられた職業です。

そんな多大な恩恵をもたらしている学問を「不完全だ」と言い切るからにはよほどの確信と自信、根拠がなければとてもじゃないですが言えないはずです。

心感覚を読み進めていくうちにわかってきた、何をもって不完全と言い切るのか、それは「脳」でした。

人類が誕生してから今まで、ずっと使い続けている「脳」がいかに不完全なのかを示し、だからこそ既存の学問は不完全であることを言い切って人間の現在地を的確に診断していたのです。

当たり前すぎて考えもつきませんでしたが、読み進めるほどに「脳」を基準に築き上げてきたものすべてが疑わしくみえてきました。

不完全学問を補う完全学問の可能性

考え方の変化や、やり方を伝える本は世の中に山ほどありますが、人間共通に持っている脳の機能的限界を明確にした上で、「脳の外=心」を明確に規定している本とは初めて出会いました。

心も、抽象的な宗教やスピリチュアルで言っている心や、心理学でいう心ではなく、心を「動き」として明確に規定している点にも斬新さを感じました。

現代の超情報化社会においては、知ったことはすぐ使い物にならないゴミになるし、いくら新しいことを学んでもまた新しい学びを続けなければなりません。それを楽しさよりかは大きなストレスに感じている人も多いのではないでしょうか。

私自身、昔システムエンジニアをしていた時、毎日のように新しく出てくる知識や技術に追いつくことをとても大変に感じていました。そして当時とは比べ物にならないほどに今の方が情報量も情報スピードも速くなってきています。

だからこそAI時代には「知っている」ことよりも「知らない」ことがカギを握るという話には、考えてはいなかったものの、納得する部分が大きかったです。「知らない」ところこそ、心でもあります。

著者のいう完全学問は「一度学んだら永遠に使える」というのも非常に魅力的に感じました。

理想の教育と未来産業

本著には既存の概念を根底から覆す、新しい教育の仕組みから、日本の未来産業の提案までされていて、今までにない圧倒的な洞察力に驚愕しました。

ノ・ジェスさんのいう教育の目的は「人間がいかに素晴らしい存在であるのかを教えること、人間が持つ最高の機能を発揮すること」であり、教育の本質は「誰もが望む結果を生み出せるようになる能力を育てること」です。

完全学問があれば、日本が教育で世界を変えていくことに対しても納得です。今、日本は「失われた30年」という長期的な経済沈滞を続けています。モノ作りで高度経済成長を遂げた日本、今ではIT後進国に成り下がり、先進国とも言えなくなってしまいました。

日本に明るい未来を感じる人も少なく、うつや自殺も増え、日本を見限って海外に移住する人も増えていると聞きます。

しかし、完全学問をマスターする人が増えていくと、心が元気な人も増え、新しいアイディア経済がバンバン生まれていく可能性を感じました。もっともっと楽しいクリエイティブな世界が広がっていくでしょう。

完全学問がつくる商品はモノ商品でも金融商品でもなく「組織システム商品=リゾーム組織」です。

それこそがAIにマネすることのできない、人間しかつくることのできない商品だとノ・ジェスさんは本著で語っています。

最後に補足したいのは、著者は決して既存の学問をダメだと言いたいがために「不完全学問」と表現しているわけではないということです。

不完全学問は99.999・・・%。それぞれの学問はとても細分化され、人類の発展にはおおいに貢献してきました。しかし弱点があります。それは細分化しすぎてお互いの融合が起きないのです。

完全学問を使って、不完全学問をリテラシー(解析)することで、お互いの関係性も、何を言いたいのかもよくよくわかります。それは令和哲学カフェで哲学者の解析をしていてよく感じることです。

完全学問と不完全学問の融合、それこそがリゾーム組織が大量に生まれていく上においても重要なカギとなるでしょう。

学問にどこかモヤモヤしてモノを感じる、学校の勉強は楽しくなかった、そんな人にも楽しく読めるのが「心感覚」です。ぜひ読んでみてください!

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