1970
乾杯のビールも終わり、ホテルの部屋に戻り
明日からの事を、考えていた。
独りきりの部屋はとても静かで空調の音と
「カッチ カッチ カッチ」
と時を刻む秒針の音しか聞こえない。
「おまえならまだ出来るよ、あきらめるな」
「次の曲は絶対ヒットするよ」
「カッチ カッチ カッチ」
心の奥ではあきらめられない気持ちがあるが
それと同時に
「今日で終わりだ、今日で終わりだ、今日で終わりだ
今日で終わりだ終わりだ終わりだ」
「カッチ カッチ カッチ」
一人でも聞いてくれる人がいるなら 歌い続けよう
この世界に入った時に、自分で決めた約束
だが、最近は歌うのが好きなのか?
売れる事が大事なのか?
何の為に歌っているのか?
次回に続く
1970年千葉県生まれ。プレジャーリンク株式会社
代表取締役・ブランドリサイクルショップ船橋市
『リサイクルショップブルーム』店主。著書