#30 宮平農園 宮平 翼(みやひらつばさ)さん
南城市玉城を拠点にする宮平農園は2017年9月に法人化し、現在では花卉(トルコキキョウ、菊)や野菜(オクラ、ナス、ゴーヤー、スイートコーンなど)、果樹(マンゴー、ドラゴンフルーツなど)の栽培を行っています。 三代目である宮平 翼(みやひらつばさ)さんは、1982年生まれ。
地元・玉城の学校を卒業後、琉球大学農学部へ進学。大学卒業後は沖縄県農業試験場やJAおきなわでの経験を積み、24歳で就農しました。
宮平さんは、地元農業の発展に尽力しながら、地域と共に成長する農園経営を目指しています。
宮原さんの後半です。
農業と漁業の活性化と加工業者、カフェの協力
ーーこのまち南城、10年後、どんなまちになっていたいですか。
「そうですね、ただ人が増えればいいっていうわけでもないと思いはするんですよ。その中で第一次産業、農業とか漁業とか畜産業も活発に行われていて、その中で加工する業者とかカフェもこの辺多かったりするので、そういう人たちも一緒に協力し合っていけたらな、と。この10年後もまたそのまま続けて、続けてというか、さらにレベルアップしてもっていければなあとは思います。
ーーなるほど。一次産業の方とか、加工
「加工業者だったり、飲食店。」
ーーサービス業。
「そうですね。」
ーー今はそれが結構連携してできている?
「少しずつ出来始めているのかなとは思っていて、ホテルで南城市の野菜ビュッフェとかやったり、そういうのもあったりするで、少しずつできてきているのかなとはお思うんですけど、さらにもっとこの南城市の農業を盛り上げるためにはもう少しこういう取組を増やしていけないかぁと思っていますね。」
ーーありがとうございます。
農家を盛り上げる取り組み
ーーそのためにご自身ができることっていうのはどんなことですか。
「一番はまあもちろん農家なので作物を作ることでしっかりこのある程度の出荷量を確保すること、その中でまた自分結構外廻って色んな人としゃべることが、まあそんなにおしゃべりではないんですけど、色んな人たちと話しして、繋がりをもって、今だったらドラゴンフルーツも作ってるのでドラゴンフルーツのスムージーを首里のカフェで出したりとか、同じ中山にあるカフェでスムージーを作ってもらったりとか、そういうことをしながら徐々に幅を広げていってるので、それをみんなで、みんなでっていうか、農家が一体となって盛り上げられないかなとかそういう話も出来たらなって思ってます。」
ーーなるほど。その中心を担える人に翼さんはなりたい、なろうとしている。
「なろうとしているかって言われると、どこに進むか、どちらかというと本来は畑で働いていることが好きなんですよ。そこの中心に行くと結局畑じゃなくてまわることが中心になってしまう、それはなんか違うなと思っていて、畑にいたいのでサポート役にまわりたいですね。」
ーーなるほどね。じゃあちょっと頑張って引っ張ってくれるリーダーを見つけないと。
「そうです。」
農業と家族の関係性と子供の関心
ーーちなみに、お子様が先ほど中学生と、何人いらっしゃるんですか?
「3人です。」
ーーやっぱりお父さんの姿を見て子どもたちは。
「見てくれていると思ってはいるんですけど、中学生の子は3歳の時から毎日畑に来ていて、毎日畑に来てここから保育園に行ったりとか。小学校3年生は本当に毎日来て。でもその割には別に農業をしたいってわけではなさそうで。今もいるんですよ、学校から帰ってきて。毎日居はするんですけど、じゃあ手伝うかって言われたら手伝いをしない。保育園のときから手伝いもしない。手伝わそうとしたら、なんか機嫌が悪くなったり。でも畑にいるんです。」
ーーうなぎ取りに行ったりするんですか?
「今はしないんですけど、子どもの小さいときはそれが楽しみだったかもしれないし、でも一つのきっかけとしてずっと一緒にいるっていうことを、手伝いはしてなくても、でも見てくれてればなって思います。」
ー中学生がいて?
「5年生と3年生、下二人は女の子です。」
ーーお嬢ちゃん達はお父さんの仕事を見てて何か言いますか?
「畑が好きってしか言わないです。畑しか見てないとこの5年生の子は一番厳しいんです。パパは畑のことが好きだから自分たちのことを見てくれてないみたいな。娘たちのこと見てなくて最近冷たいって言われます。」
ーー畑のことばっかりやってるから。なるほどね。
「そんなことないですよ。ね男の子は気にしないけど女の子は厳しいです。」
ーー女の子は厳しいですよね。私も一人いるんですけど、女の子厳しいですよね。
観光地域つくり法人の必要性
ーー今南城市がですね、DMO観光地域つくり法人を検討しておりまして。宮平さんも1回勉強会にご参加いただいたということなんですけども。南城市このDMO必要でしょうか、必要じゃないのでしょうか。
「必要かなと思ってはいて。さっきも言ったんですけど、自分はサポート役に回りたいので、どちらかというとみんなで話し合う場とかまとめてくれる人たちがいる中で意見を言えるメンバーが何名かいて、そこでみんなで協力して発展させられたらなっていうのがDMOに期待するところ。私たちとしては農家のものを作ってくれる加工業者だったりそういうところとつながってまた大きな南城市の新しい産業が生まれたらなというのはあるのでそこの協力というかこの話し合いの場というのは必要かなとは思っております。」
農業と産業の連携
ーーなるほど。ということはあれですかね、生産者の思いとかを吸い上げてくれる機能があるとDMOは必要。今の宮平さんとしてはDMOはあったほうがいいというふうに思ってらっしゃる。
「そうですね、あってそこに参加して。自分もそこまでDMOっていうのをはっきり理解してるわけではないんですけどでも、そういう場、勉強会だったりそういうのを開いてくれる場っていうのは絶対に必要だと思うので農家って結局作ること畑にいることだけを考えるんじゃなくてその先の販売だったり消費者とつながることまではなかなか考えてないので、その話を聞くっていうのも大切なことだなと思っているので。」
ーーなるほどね。という場がDMOになる観光地域づくり法人にあるといいかなと。
「そうですね。」
ーー分かりました。逆に今は何かそういう意見の交換をできるような場ってなかなかないんですか。
「そうですね、今はなかなかないですね。JAに出荷してるんですけど、そこでの意見交換会だったりやったりしても、結局なかなか話はただ一方的に、お互いに一方的な話で終わるでその先に進んでるかって言われたら進んではいないのが現状かなって思っている。」
ーーなるほどね。最後にこれだけは言っておきたいんだっていうことがおありでしたら。この音声配信はほぼ南城市の方に向けてやっておるんですが、南城市以外の方も聞いておりまして。俺はこう南城でものづくりやってるんだけどもこれだけは言っておきたいっていうことがありましたらどうぞ。
宮城農園としてのコーヒー栽培と展開
「難しいですね。南城市に来たら、もう宮平農園っていう名前はみんなが知ってるぐらいの一応なりたいと思っていて。その中ではいろいろ自分の中で動いて、コーヒーとかいろいろ栽培してるので。」
ーーコーヒーもやっている?
「まだまだスタートしたばっかりなんですけど、今後自分たちが作ったコーヒーをこの南城市内のカフェだったり、もしかしたら宮城農園としてカフェを作るかもしれないし。」
ーーいいですね。
「そういうのもアピール、今後していければなと思っている。」
ーーいいじゃないですか。
「なかなか南城市産のコーヒーとかって飲めることはないので、うちぐらいしか。」
ーー今は今作られたコーヒーはどういうところに循環なさってるんですか。
「今は来たお客さんには飲んでもらったりとか、一応焙煎まではするので、この豆であげたりとかそういうのはしてて。」
ーーここで売ってらっしゃる?
「そうですね、タイミングがあればあるって感じですね。」
ーーコーヒーってタイミングがあるんですか。
「そうですね、収穫量がそんなにないので。収穫して乾かして焙煎して。焙煎まで終わってるものがあれば匂いしたりとか、買って持って帰るとかできるので。」
ーーいいですね。そうですか、なんかお嬢さんたちの仕事、それいいじゃないですか。大きくなったらカフェでも。
「娘は小物作り、レジンとかレジンレジンアクセサリー、そういうのを作ったりとかするのが得意で器用なので。だからそういうのうちの花も組み合わせてできないかなっていうのをやってて。」
ーーなるほど。
「小学校の1年生の時からトルコキキョウが出た時にフラワーアレンジとかさせてたんですよ。それが良かったのか、今は手が器用でレジンアクセサリー作ったりピアス作ったりネックレス作ったりもして。」
ーーここでも販売はしてるんですか。
「してます。」
ーー多角経営してますね。
「結局でも材料費はお父さんが出すけど売り上げは娘のものなんです。」
ーー宮平さんのような世代、今40代?
「42ですね。」
ーー世代の方達っていうのが実際生産者として活動なさっている方ってどのくらい南城市いらっしゃるんですか。
「南城市では結構でも自分たちが分からない範囲に結構いるらしいんですけど。その中でもやっぱり交流っていうのはなかなかないので。」
ーーそうそうそうそう。ちょっといいですか僕から質問して。他でも同じこと言われたんですよ。何で交流ないの。
「まとめる人がいないのか、まとまろうっていう人たちがいないのか。でも何ですかね、自分たちみたいな後継者っていうのは親の世代だったりそういう繋がりがあるんですけど。新規で入ってきた人たちっていうのがあまり交流が持てないかなと。ちょっと変わった人たちが多いというか、そう言ったら悪いんですけど、周りと交流、別の仕事をしててその仕事よりは農業をしたいなという憧れだけで入ってきてでも意外ときついなとか思っている人たちが多かったりするので。だからなかなかその人たちの交流が少ないのかなとは思います。」
コミュニティ形成
ーーそれどうしたらいいんですかね。
「本来なら役所だったり、本当だったらJAだったり出荷団体とかがまとめてくれたらっていうのもあるんですけど。みんなで集まりましょうって言っても集まるわけではないので、一人ずつっていうか、まずは隣の畑の人と話すとか、そういうのが大切かなと。」
ーーなるほどね、まずは小さな。なるほどね、なんかもったいないですね。
「そうですね、お互いにいい部分を見つけ出すっていうのが大切だから本当は。あそこはあそこでうまくやってるんだしこっちはこっちでちゃんとやってるんだし、じゃあお互いの話し合いっていうかこの協力できる部分があればチームプレイでね、お互いの利点を引き合って。なるほどね。いやでもそこはなんか南城市がこれから大きく伸びると言いますか、人が集まってくるためには必要なところではないですか。
「そうですね。」
子どもへのメッセージ
ーー本当の最後の質問なんですけど。まさに今の宮平さんお子様たち、ここで生まれてここで育ち、いずれここで働いてくれるであろう子どもたちへのメッセージを最後にいただきたいんですが。
「そうですね、お父さんみたいになれとは言わないので、ずっと畑にいるような人になるよりは周りを見ながら、やっぱり周りの目も見ながら成長して、いろんなところと交流して、いろんな情報を持ってきて、南城市でいろんな地域の話とかできたらやってもらえるような子どもたちになってほしいなとは思ってます。」
ーーいろんなものを見てきて帰ってきて。
「帰ってきて、そうですね。ずっと南城市にいなさいってもないし、ずっとすぐに農業しなさいでもないので。いろんなところの本当に話とかをお父さんにも聞かせて南城市民にも聞かせるぐらいのちょっと大きな人間になってほしいなと思ってます。」
ーーなるほどね、ありがとうございます。
ーー宮平さんの話聞いたら、いろんなことができそうな気がしてきました。生産者というお立場の皆様の観点からも一つチームプレイがつながっていくといいですね。
「そうですね、今後できれば。」
ーーそうですね、ありがとうございました。本日は合同会社宮平農園の宮平翼さんにお話を伺いました。ありがとうございました。
「ありがとうございました。」