口腔ケアの重要さを知った私、歯を3本抜く。
誰の目にも留まるほど華やかに桜が咲いて、そして散った頃、誰にも知られずにひっそりとその役目を終えたものがある。
私の、いわゆる親知らずと呼ばれる奥歯。3本。
痛くなったことはない。むしろ、ほとんど歯茎に隠れていて口を開けても存在が分からないような歯。
私にさえ気づかれなければ、私が歳をとって入れ歯にでもなるタイミングまでひっそりと居座り続けていただろう。
しかし、その時はやってきた。
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私「最近、というか結構ずっと前から奥歯に食べ物が挟まるんですよね。。」
歯医者「あー、親知らずが変な生え方してるね。フロスも通しにくいでしょ。」
私「歯ブラシも奥まで届きにくくて。磨き残しちゃうんですよね。」
歯医者「抜きましょう!3本全部抜けば、一生フロス通す回数が3回ずつ減るよ。歯垢がたまりづらくなるから、虫歯にもなりにくいよ。」
ひっそりと私の口の奥のほうにただ存在していただけの親知らずは、実はその存在自体が厄介者であった。
私「抜きます!!!!!」
二つ返事で生まれて初めて抜歯を経験することとなった。
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抜歯というのは、麻酔をするときのチクチクとした痛みを耐えれば、あとは完全に無痛だ。ただ、麻酔が切れてからの数日間はじわじわとした痛みがあるが、ちょっとの我慢だ。
今まで私が見ていた親知らずは氷山の一角で、そのほとんどは歯茎の中に隠れていた。
歯は根っこを含めると想像以上に大きい。コーンの1粒くらいかと思っていたのに、3粒分くらいはあった。
抜いたばかりの血だらけの歯を見せられて持って帰るか聞かれたけど、どう考えてもいらないと思う。乳歯じゃあるまいし。
こうして、2週間に1本ペースで、2ヶ月かけて3本の親知らずを抜き終わった。季節は移ろい、桜から新緑になっていた。
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壮絶な治療の体験記ではなくて、たいへん申し訳ない。経過はすこぶる良好だ。
昨年の冬に「なんか食べ物が奥歯に挟まって不快」という理由だけで歯医者にかかったおかげで、CMでよく聞く「歯医者さんに褒められる歯に!」になった。
今まで何度か虫歯治療で歯医者さんに行ったことはあったが、治療して終わりではなくて、虫歯にならない歯のメンテ方法をしっかり教えてくれた歯医者さんは初めてだ。
良い歯医者に出会えてよかった。
ただ、自分の歯に対する意識が変わったので、よくテレビで観る「奥歯が全部ない」「20本虫歯」といった売れっ子芸人さんのことが心配になってしまう。
(錦鯉のまさのりさんはこれから歯を入れるらしい!売れてよかった!)
歯の健康って、歯が痛くなるまでほっときがちだけど、やっぱり予防が大切。
痛いところがなくても「歯のメンテナンス」や「ちゃんと磨けてるかチェック」で歯医者に定期的に行ってみてほしい。
私は担当の歯科衛生士さんにおすすめの口腔ケアグッズを教えてもらったり、磨き残し率で褒められたりしてモチベが上がりまくったよ。
ちなみに私は親知らずを抜いたあと、今度は子どもの頃に入れた銀歯をセラミックに変える治療が待っている。(保険適用外で10万位するけど入れたら一生モノなのだ。。)
あと、歯ぎしり防止のマウスピースも要るらしい。
私の口腔メンテはまだまだ続く。
死ぬまで自分の歯で食事ができるように。
写真提供:おかちん(メディアカウンセラー)