【新・資本主義をチートする13】 お金を払わず無料のものだけで楽しむと、世界はどんどん無料になる。
無料でマンガが読める違法配信サイト「マン○村」の騒動が話題に上ったのは記憶に新しいと思いますが。
俗世では、
「お金を払って漫画やCDを買わないと漫画や音楽は無くなってしまう!」
という言説が叫ばれるようになりました。
まあ、一理あると言えば一理あるのですが。
で、その解説がねとらぼさんで紹介されていて、
http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1806/05/news053.html
まあ、これはこれで説明としてはとってもいいものだと思います。
しかし。
んがしかし。
よくよく考えると、
「お金を払わずテレビをみても、ドラマやアニメはなくならない」
し
「お金を払わずネットをみても、サイトはなくならない」
のですな。
なので「みんながお金を払わないことにしたら作る人が続けられない」ということはないのです。
それよりもむしろ、「お金を払わず無料のものだけで楽しむと、世界はどんどん無料になる!」のだと、断言できます。
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まあ、ぶっちゃけ私なんかは、ビジネスニュースですら
■ 日経ビジネスオンライン
■ ダイヤモンドオンライン
■ プレジデントオンライン
■ 東洋経済
■ 現代ビジネス
■ JBpress
■ ビジネスメディア
■ ハフィントンポスト
ぐらいを全部無料で、読んでいればとりあえずなんとかなる(苦笑)し、ふつうのニュースだって
テレビとやほーのトップ
を見てればなんとかなるわけで。
まあ世間の大半の人はそんなもんなので、別に全部無料で困らないのです。
では資本主義チートの観点から、なぜ無料で提供されているものを無料で享受しても大丈夫なのか、説明してみましょう。
これは結局どういうことかというと「既得権益とシステム」の問題なんですね。
漫画でも小説でも、印税率は10%くらいですから、残りの9割を持っていって儲けているおっさんたちがいるわけです。
彼らからすると、漫画媒体が無料になると、90%の収益システムが崩壊するのでとっても困ってしまうのです。
昨日もとある記事で説明しましたが、出版社が本屋さんに置いてもらう書籍は、その大半が返品となって裁断されます。某冬社と編集者M輪K介さんなんかは、山ほど刷って本屋さんに平積みにしてベストセラーを狙うけれど、山ほど返本になってもかまわないという度胸で本を売っておられました。
ということは、もともと書籍や出版のコストに対して、著者に還元されるのはごくごく一部で、それ以外の膨大な利益余力があるからそんなことができるんですね。
困るのは作家の前に、まずおっさんたち。次に作家さんだということです。
ところがどんどこしょ。
たとえば、youtubeのように、漫画ばっかりを掲載できる「コミちゅーぶ」というサイトがあるとします。
そこに作家さんは漫画を掲載して、コミちゅーぶでは広告が挿入されるけれども、閲覧数に応じて金銭が支払われるとします。
そうすると、読み手は無料で読めて、作家にはユーチューバーのように多額のお金が入る、という素晴らしいシステムができあがるのですね。
現在でもユーチューバーになりたい!という人がたくさんいるように、「コミちゅーばーになりたい!」という人はいくらでも供給されるでしょう。
そうすると、これまでのような、出版業に関わるおっさんたちの食い扶持は無くなるけれど、読み手も作家もなくならないことがわかります。
これが広告モデルの根幹です。
世界は既得権益にしがみついているのではなく、早くそういう新しいモデルへと変化できる者が、生き残るようになっているのですよ。
もうひとつ、余談ながらこんな話もあります。このnoteなんかもそうですが、人は基本的に「表現したい」「何かを書きたい・描きたい」「何かを残したい」生き物です。なので、別にお金を貰わなくても製作物を、じゃんじゃんいろんな人が勝手に作るという傾向があります。
Windows時代にはフリーのソフトが山ほど出現しました。今や企業が作るソフトも、無料のものがたくさんあります。スマホのアプリだってそうです。Linuxのような無料の真骨頂みたいな作品も生まれています。
みなさんが無料でスマホアプリを使いまくると、アプリはある日有料になったり、新しいアプリが登場しなくなったりするでしょうか?
メディアや出版、流通などに関わるものは、その中から「こいつは売れるぜ」とビビビと鬼太郎なものをチョイスして販売し(あるいは課金させ)儲けを得るので、実は
「良作は無料で山ほどそこらへんに転がっている」
のが事実です。
それをもっとお金になるようにマネタイズして、自分達が9割の利益を得て、1割を還元するというのが、メディアのビジネスモデルなのです。
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ということは、私達は法に反しない限り「無料のものは堂々と無料で享受してよい」ということになります。
むしろ、その事態を見て、「変わらなければならないのは、サービスの受け手ではなく、常におっさんたち」なのであります!
心配しなくても大丈夫!おっさんたちだってしたたかなので、
そうなったらそうなったで、別の方法でお金を取れる手段を必死こいて考える
のです。それが経済発展というやつですから!彼らはどこからお金をふんだくってくるかを必死で考えます。
そして、それが成り立つところで、新しい経済の仕組みが生まれるという流れです。
おっさんたちだって90%の利益を「まん○村」に取られるくらいなら、自分たちに少しでも入るように頑張るのです。
おっさんをなめてはいけません。なんたって家族を抱えていますのでね!
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<おっさんな皆様方への大人な解説>
すでに1話無料漫画とか、キャンペーン全巻無料などを繰り出してきているネット漫画界、あるいはそもそもFMラジオで新譜を流していた音楽業界のみなさま。
いまやyoutubeでアーチストの新曲が、全編フルで流れている時代ですから、すでにモノは無料で配られていることはすでに起きていて、この流れは簡単にはひっくり返りそうにありません。
結局は「コンテンツの消費は無料」「コンテンツの所有は有料」というあたりで切り分けていかなくてはいけない時代なのだと思います。
となれば、印刷物としての漫画は全部値段を上げるとか、発行部数を限定して所有欲を煽る(追加増刷はオンデマンドで)とか、柔軟な発想が求められるのかもしれません。
音楽業界がライブで稼ぐように、漫画だって「イラストライブ」で集客するとか、もはや「お金を稼ぐ方法は、なんでもあり」にシフトしてゆくのではないでしょうか。
そのなんでもありの中で、「どこからお金を引っ張ってくるのか」を真剣に考えなくてはいけない時代が来ているだけで、これまでのように
「黙っていてもお金が入ってくる」
時代が終わっただけなのかもしれません。
私は、個人的には、コストに対しては収益をどんどん貰わなくてはならない、という基本的な立場を取っていますが、それを自分の仕事で実現するには
「1円でも高く売りたい」
と考えています。ところが、世の中には、なぜか「無料で配りたい!」と思っている人たちがいて、その圧力たるやすさまじいものがあります。
そうすると、それには直近勝てませんから、「無料VS有料」の戦いでは、早期に決着がつくことは目に見えています。
となると、進化の定番ですが「環境に適したものだけが生き残る」わけで、無料が現れたことについては、否定しても仕方がないのです。結論は、「無料で提供している連中が死に絶える」のを待つか、「違うところからお金を引っ張ってくる」以外にはありません。
でしたら、家族を養っている僕らおっさんの取るべき道は、待つなんて悠長なことは言ってられませんから、「どこから金を持ってくるかを考える」以外にないわけですね。
鬼滅の刃という漫画が人気ですが、ジャンプ連載時よりも、アニメ放送後人気が爆裂しました。ということは、鬼滅の刃を爆裂させたのは「無料の放送」だということです。そもそもジャンプ本誌が有料であることで、鬼滅界隈が儲かっているわけではありません。
さすがにまだ単行本は多少売れ行きが関係するでしょうが、関連グッズの販売や、周辺で動いているお金が、結果的には「無料のテレビ放送視聴者」ではなく、「グッズの購入者」からお金を頂いていることがわかります。
ということは、「無料の享受者」から「別の形でお金を巻き上げる」システムを創ることが、これからのビジネスの根幹になるということなのかもしれません。
(スマホゲーム界では、もう全てがそうなっていますね)
もちろん、無料のスマホゲーム製作会社が、すべて死に絶えた後には、違う有料の世紀が始まるかもしれませんが・・・。にやり。