【1年経って】SonnyBoy第1話考察
1年経っても漂流
サニボのHPではONAIRが7月15日とのことなので、これを期に自分の中でこの作品の捉え方がどう変わったか書き記したいと思った。
全部見ている&1年経過による気づき
まず見ていて非常に気になったのが明星くんの目的。
ラスト近くで怖い感じで睨む明星くん
リーダーでも無いのに罰を下せる
この2点が気になったが、ストーリーを全部見た上で考察し直すとつまり、明星くんは校長から事前に知らされた情報を元に、「自分が救世主となってみんなを導きたい」という願望から学校に来てからこの真っ黒な空間に漂流し、そこでみんなの救世主になろうとした。
そして、リーダーでも無いのに罰を下せたのは、おそらく神様に最初はそういう世界(実は誰でも罰が下せるのかも)に漂流するよと告げられていたけど、敢えてリーダーだけができると言ったのかもしれない。
そうして後半、明星くんは皆に絶望的なイメージを超能力で見せつけ、皆が自分へ救いを求めるように持っていこうとしていたのだろうが、ここで希が光指す方へ走り出したことで明星くんの計画は少し狂ったものと思われる。
はじめに、希はそのまま光を手に掴めば、12話ラストでも見たように元の世界へとあっさりと帰れたはずである。だが、長良が希の腕を掴んでしまったことで未遂に終わってしまう。
この長良の動機はおそらく本人も無意識だと思われるが、直前のたんぽぽ派である回答から、漂流前の希とのひと悶着から変わりだそうとしているけれども、まだ元の世界に変えるほどの勇気は出せないがゆえに、先に進んでいこうとする希を引き止めてしまった。それが結果的に長良にとっての成長に繋がったのだが、それ故に大きな喪失を体験することにもなった。
それを踏まえて、その後のシーンの黒い空間から海へと切り替わるシーンはとても爽やかなもので晴れ晴れとしているが、ここからの道のりを考えると何とも切ないものになっていると感じた。
本筋に戻して、こうして長良が世界移動したことによって明星くんが生徒に救いを求めさせる絶好の舞台であった黒い空間は無くなってしまった。だからこそ、海に漂う二人を影から怖い感じで見下ろしているのだと思った。
無から空想へ
最後にこの1話の時系列をまとめると漂流以前は、
長良は本当はどこかに行きたい→でもいけない→希に諭される→逃げようとする気持ちがトリガーとなり漂流する
となる。そうして漂流後にて、
長良に付いた鳥の羽を希が取る
希が光を見つける(屋上にも鳥の羽がある)
漂流前の回想
学校が荒れる
希、「この世界から抜け出すんだ」
そして屋上にて鳥の羽が希の元に舞い落ちる
希、元の世界へ戻ろうとする
となるが、ここで鳥の羽が1話を象徴するアイテムとなっていると思う。
つまり、鳥の羽=帰還の道標となっていて、希が長良からそれを取ったところから1話は始まっている。
この時点では、羽がついてからだいぶ時間が経っているが、最後に羽が出てくるときは舞い落ちて来たことから、その鳥はすぐ近くまで居て今さっき飛びったった、だから希は変える方法に気が付いて光に飛び込もうとした。
やってみたら案外簡単かもよ
全話を見て分かるのは、漂流から抜け出すには今の自分の状況を確定させる、つまりありとあらゆる可能性を排し一つの未来を受け入れるかが重要となる。だがそれを決断することは人によっては難しい。
だがその答えはもうすでに、希の
「やってみたら案外簡単かもよ。」
このセリフで出ているような気がした。
でもそれが出来ないからこそ、いろんな世界を漂流して最後に自分なりの終わらせ方を探ることになる。意外と簡単なんだけど、それで自分は納得できないんだろうなと思った。