すまスパの朗読で飛べた話【#あなスパ企画参加】
実を言うと、待っている。
吉穂みらいのアカウントに設定したメールアドレスは、みらっちのものと違って普段あまり使わないアドレスなので、時々チェックに行かないと、新着メールに気づかないことがある。
「ピリカ文庫」さんから、メール来てないかな・・・
時々、そんなチェックをしてしまう。
いけずうずうしいのである。そんなに何度もメールが来るわけがない。でもそれだけ、ピリカさんからメールが来た時の喜びが大きかったのだ。
———「朝顔」でピリカ文庫に短編を書いてくれませんか。
ピリカグランプリには落選している。だからまさか、そういうオファーが来るとは夢にも思っていなかった。心から嬉しかった。あまりに嬉しくて、興奮して、速攻で「朝顔サン」を書き上げた。かねてから試してみたかった方法があったので、破竹の勢いというか猪突猛進というか、とにかく目ん玉をひん剥いて「くわっ」と書き上げた。
そして夢にも思っていなかったことがもうひとつ、続けざまに起こる。
なんと「すまスパ」で、私の「朝顔サン」を朗読してくれるという。かくて、同じお題でピリカ文庫に作品を書かれた雨唄アユウさんの作品と共に、こーたさんに朗読していただくという栄誉に恵まれた。
今回の「あなたの思い出のすまスパ」企画。
私はピリカ文庫さんのことも、すまスパのことも知るのが遅かった。
昨年の春のピリカグランプリに初めて参加するまでは、すまスパをじっくり聴いたことがほとんどなかった。ほとんど、というのは少しは聴いていたからで、「noteの殿上人のみなさんは(⇠本当にそう思ってた)こんな素敵なことをしているんだ!」と憧れたものの、本格的に聴くようになったのは、作品を朗読してもらってから。
いろいろ、遅いのだ。
なので「思い出のすまスパ」と言えば、まずはやっぱり②の朗読部門で、自分の作品が朗読された回、ということになる。
こーたさんの優しい声で朗読される自分の作品は、まるで自分の作ったお話ではないようだった。まさに、不思議体験。あんなに嬉しかったことは、そうはない。そのたった1回の体験が忘れられず、メールをチェックする癖がついてしまったというわけだ。
すまスパはそれ以来、よく聴いている。聴くのは家事をしながらが多い。「今日はだるいな、何にもしたくない」という日でも、「すまスパ」を聴き始めるとやる気が出てくる。なにしろ、みなさんが優しい。絶対に嫌な気持ちにならない。パーソナリティーを務めるどなたもみんな、素晴らしい癒しトークの達人たちだ、と思う。
同じ朗読回で、他に特に印象に残っているのは、バクゼンさんとおだんごさんの共作『今日もアレレマートで』。
こちらは朗読ではなくラジオドラマになっている。すまスパの皆さんが出演されていることと、お話が素晴らしいということだけでなく、なにより私は「アレレマート」というスーパーマーケットがすっかり気に入ってしまったのだった。
私はほぼ毎日スーパーマーケットに行くので、時折この回を思い出しては「このスーパーがアレレマートだったらな」なんて思ったりする。そのくらい日常に沁みこむ、そのくらい、すまスパのみなさんが大集合で出演という「非日常」な回だった。
朗読やラジオドラマになると、物語がさらにくっきりと印象的になる。本当に素晴らしい取り組みだと、常々思っている。
ところで自分の「朝顔」回への参加に関しては、少し悔いていることがある。
ひとつは、例のアドレス問題で、ピリカさんからの連絡にすぐ反応できなかったり、メールに気づかなかったりしたこと。そのせいで、ピリカさんをだいぶやきもきさせてしまったんじゃないか、と思う。
そしてまた当時、noteで少し神経質なくらい身バレ厳禁、交流はぎりぎり最低限でという頑なな感じで張りつめていたために、ピリカさんからの親切な申し出を、断ってしまったこと。
吉穂さんて交流する気ないみたい、と思われたかも。もう、連絡くれないかも・・・と、ひとりくよくよしていた。
あれから1年近くが経とうとしているが、その後いろんなことがあり、私の中でnoteとの付き合い方や創作への向き合い方が変わった。
短編集『白熊と光』を作ったことで、もっとnoteの仲間たちと小説や書くことを通じて交流してみたい、という気持ちにもなった(タイトルに「ピリカ」を表す「光」という言葉を入れて、ピリカ文庫、そしてすまスパへのリスペクトを表明してみたり)。
どうしてそんな風に変わることができたのかというと、そのきっかけになったのは、間違いなく「ピリカ文庫」と「すまスパ」での朗読だったと思うのだ。
1年前の私は、創作アカウントを起ち上げたばかりで、ピリカグランプリへの応募もおっかなびっくり。自分の作品が自分以外の人に受け入れられるのか、心配で仕方がなかった。私ごときが創作をネットに発表するなんて、やめたほうがいいのかもしれない、といつも思っていた。
自分の書いた物語に発表の場をいただくということ、朗読してもらうということは、色々な意味で飛躍のきっかけになるビッグイベントだと思う。多くの人に知ってもらうという意味でも、自分の意識が変わるという点においても。ピリカ文庫に参加された方はなんらかの形で、そういった飛躍を体験されているのではないだろうか。
私は飛べた。
めっちゃ飛んだ。笑
誰かを励まし後押しすることは、簡単にできるようで、簡単にはできないことだ。ピリカ文庫とすまスパは、noteの力を最大限に引き出して、沢山の人に愛と勇気を届けているのだと思う。
さて、私も今なら、どんなオファーもどんとこいな気がしている。
すまスパを聴いていると、思わずお話に入っていきたくさえなる。
とはいえ、もちろんどんなオファーも来ないことも、わかっている。それでもこっそり、メールをチェックする。
———思いっきり待ってんじゃん。笑
そんなとき、文フリにピリカさんがやってくる!というお話を耳に(目に)した。なんと!すまスパでライブ配信をするらしい。なんとなんと!
文フリでは、お隣のブースがぼんらじさんと穂音さんだし。おふたりともすまスパに登場されている。そのお隣は、先日ぼんらじさんといぬいさんのラジオに出ていらしたさわきさんだし。
ちょっとしたついでに、私にも声をかけていただけるかもしれない。
膨らむ妄想と期待。
今度こそ、嫌がらず、もじもじせず、ちゃんと向き合おうと思っている。
聴いている人を元気づけ、勇気をくれる「すまスパ」。
3周年、おめでとうございます!
文フリで皆さんとお会いできるのを楽しみにしています!
そしてこれからも、素敵な声とお話で、沢山のクリエイターさん達を励ましていってくださいね✨すまスパのさらなる躍進を応援しています。
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