最近、あまりにChatGPTの成長が著しいので、Googlechromeに無料で実装できるChatGPT4 AIアシスタント「モニカ」に「小説の感想」を聞いてみた。
なんでモニカだったのかには特に理由はない。chromeを使っているので手軽だったから、がいちばん近い回答。
最初に「あなたは小説を読むことができますか」という質問から始めると長編は無理だが抜粋なら大丈夫ですとのこと。4000字ぐらいの小説ではどうだと聞くと、4000字程度なら全編読むことができる、というので直近で書いた小説を入力してみた。
その感想が、こちら。
吉穂:ありがとうございます。あなたはとても読解力に優れていると思います。(AIに対して上から目線の吉穂)
吉穂:この小説には、ところどころ暗喩が使われていますが、それについてはどう思いますか。
吉穂:この小説の中に出てくる「赤い靴」の話は知っていますか。
吉穂:この小説に出てくる「赤い靴」の寓話ではない、原作のHans Christian Andersen(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)の童話「赤い靴」についてはどう解釈しますか。(質問の仕方を変えてみた)
吉穂:Hans Christian Andersen(ハンス・クリスチャン・アンデルセン)の童話「赤い靴」では、カレンが足を失った後の話があると思います。そちらはご存じですか。(うながしてみる)
吉穂:この寓話の後半は、カレンが宗教的社会規範の中に心の安らぎをもたらす結末となっていますが、それはアンデルセンが生きた時代と関わりがあると思いますか。(少し誘導尋問的かな)
̛̛吉穂:「アンデルセン自身も虔」、で止まってしまいましたが、故障でしょうか。
吉穂:先ほど私が提示した小説を覚えていますか。(速攻で削除すると言っていたけど)
吉穂:それではその小説の主人公は、どうしたら休載されると思いますか。
吉穂:誤字がありました。休載ではなく、救済です。ごめんなさい。
吉穂:ありがとうございます。あなたとの会話は有意義でした。
吉穂:先ほどの小説は全て削除してください。読んでくれてありがとう。さようなら。
さて、この記事はここまでで6000字ほど。普段6000字の記事を書くなら、推敲を入れて最低でも1時間や2時間はかかるところ。
とにかくどの質問にもほぼ一瞬にして回答が来る。途中「敬虔」という言葉で引っかかったのか止まったことはあるが、とにかく早い。そのため、あっという間に記事が書けた。できるまで20分かかっていない(その後推敲したのでもう少し時間はかかった)。
だいたい「自分の小説を読んでもらって感想をもらう」ということは、とても難しい。「誰に読んでもらう?」から始まって、その人にコンタクトを取り、読んでいただけるか確認し、その後小説を送り、受け取ったのを確認し、基本的には相手のペースで読んでもらうことになる。
ほとんどの場合「読んで」と頼んだ時点で断られる。作家の原稿を待ち受けている編集者ならすぐ読んでくれると思うが、素人の原稿は知人に頼み込んでやっと読んでもらえるかどうか。
「気が向いたら読んでね」の場合なら三カ月や半年はかかるかもしれない。半年たっても気が向かないこともあるし、「読めたら読む」と言われることも多い。「あ。ごめん、忙しくて、そのうち」てなことになるのが定石。
読んで、と言われる側になってみれば「困ったな。特に興味のある分野でもないし。読んで面白く無かったらどうしょう。だいたい小説がいいとか悪いとかわかんないし。どっちにしろ友達だから変なこと言って傷つけたくない。とりあえずざっと目を通して、面白かった、と言おう」というのが普通だ。
書いたら反応が知りたい。それは当然の心理だ。
しかも、知りたいのはできるだけよい反応であり、辛辣なことを言われて傷つきたくはない。これも当然の心理。
自分の住んでいる世界の中でその小説がどの程度のクオリティで、どの程度社会から求められる小説なのかを知りたければ公募しかないが、落選したら講評も貰えないことがほとんど。しかも一度どこかの公募に出してしまえば、その作品を別の公募に出すことはできなくなる。
必ず感想がきけるわけではない。
小説投稿サイトは、こちらもちゃんと読んでもらおうと思ったらサイト内での公募に応募したりしないと、普段は「読んで読んで」の人が集まっているだけで、まともな感想はこない。マニアックな物書きが集まっていることもあって、セミプロを自称している人が悪辣な批評をしてくることもある。
「創作の後押し」を銘打って、創作活動をしている人の利用率がこれだけ高いnoteでも、小説はあまり好まれず、読んでくれる人は限られる。それも、コンスタントに同じ人が読んでくれるとは限らない。コメントもそう簡単にはいただけないし、コメントのあるなし、および良し悪しが公平で冷静な総評とは限らない。交流が目的なのでコメントでいきなりガッツリ分析なんかしたら大変なことになる。
とにかく読まれない。読まれないのだから感想は聞けない。
素人の小説は、かように悩ましい側面を持っている。
そのニーズをガッチリつかみ始めているのが、このAIなのだ。
モニカさん、自信満々で有能な感じ。辻褄もあっているしいいことを言っている風なのだが―――
続きは次回。