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祝!手塚治虫文化受賞『プリニウス』&新生賞『神田ごくら町職人ばなし』

 今日はいろいろあってみらっちと吉穂で「つぶやき」を連投してしまったのだが、さらに嬉しい知らせを目にして、いてもたってもいられず書いている。

 第28回手塚治虫文化賞が決定した。

 大賞はヤマザキマリさん・とりみきさんの『プリニウス』。

 なんで私が今、そんなに興奮しているのかと言うと、『プリニウス』第1巻を読んだときに、この漫画はいつか必ず手塚治虫文化賞を獲ると思っていたからだ。

 キタッ!!
 と、まあ、そういう思いがぐわっと込み上げてしまったのだ。

 常々、色々なところで「手塚治虫文化賞にハズレはない」と言い続けてきた(漫画賞の最高峰にハズレなんてあろうはずもないのだが。笑)。

 そもそも、手塚治虫文化賞は「その年に売れた/話題になった」というような選考の仕方ではない。どこの出版社から出ていても関係がない。長年コツコツと連載されてきたものが後から賞を取ることもあるし、作家さんに贈られる賞もある。
 ただとにかく、『プリニウス』は絶対だ、取らなければおかしい、とずっと思っていた。だから嬉しい。とても嬉しい。嬉しくて、ここに書かずにはいられなかった。
 ヤマザキマリさん、とりみきさん、おめでとうございます。
  
 『プリニウス』は古代ローマの博物学者ガイウス・プリニウス・セクンドゥスを描いた物語で、ヤマザキマリさんととりみきさんの合作作品だ。プリニウスのあとがきも情報満載で、そこにはヤマザキさんととりみきさんは人物と背景に分けて作画をしていると書いてあった。どちらも凄腕の漫画家で、どのように合作が行われるのかと思ったら、そういうことだった。

 ガイウス・プリニウス・セクンドゥスは博物学者なので、さまざまな事象に対する蘊蓄(当時の)が語られるわけだが、私が何より感動したのは、ローマの水道管が克明に描かれていたのを見た時だった。
 私はそれまでローマの水道管なんて見たことがなかったし、この漫画で生まれて初めて水道管を「リアルに」見たのだ。漫画のていではあるがこれはまさに「博物誌」そのものなのだと思った。

 今日は個人的には悲しい出来事があって辛い気持ちでいたのだが、Xに流れて来た手塚治虫文化賞の話題に触れ、こちらは喜びに打ち震えた。
 悲喜こもごもの一日だった。

 また、新生賞に『神田ごくら町職人ばなし』が選ばれたことも知り、それも嬉しかった。
 なぜならば、つい最近「吉穂堂」に陳列してきたばかりだったからだ。

 ご興味を抱いたそこのあなた、吉穂堂ならお安くお求めになれます。さ、いざ吉穂堂へGOでございますよ。

 自分の本を全く置いていないのに通常の古書が全く売れない、というのも奇妙な話なのだが、今、吉穂堂に置かれた本には動きがない。1冊たりとも売れていない。
 
 がしかし。

 ぜひ、よくよくご覧になっていただければ、選りすぐりの本や漫画だということが、お分かりいただけるかと思う。

 プリニウスは、当初電子版で読んでいたのだが、途中で完結したら全巻揃えようと思って止まっている。2023年に12巻で完結しているので、今が買い時だ!大人買いだ!だ!・・・だが今ちょっとモノイリなので、地道に1巻から買おう。いや、途中で止まったところから買おうかな。ああ。どちらにしても今はツンドクしかできないのに、なんて悩ましいのだろう。

 大人買いできるみなさん、書店へGO!
 (『神田ごくら町職人ばなし』は吉穂堂へGO!)

追記:短編賞の益田ミリさんの『ツユクサナツコの一生』。こちらは知らなかったのだが、興味深い。手塚治虫賞にハズレはない。読みたい。

 

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