17話ー信じられない光景が！in長崎インターハイ④

森本さんは大阪代表に挑むことになる。

俺は負けた後でウォーミングアップ会場で森本さんの試合を見ることになる。

当時世界チャンピオン徳山さんが見る中で、試合のゴングは鳴った。

バシバシバシ！！！

ヒュイン、ヒュイン、ヒュイン！！！

え？

え？

え？

いつもの森本さんじゃない！！！笑

何かに取り憑かれたかのように今まで見たことのない技を使いまくっている。

マイクタイソンのようだ。

相手のパンチをバンバン避け、完璧に相手の顔にパンチを当てていた。

（決して相手が弱かったわけではない。いやむしろ強かった）

うわーーーーーー森本さん、ヤバっ

くそ強いわ！森本さん！

そして１ラウンドが終了して、圧倒的に森本さん優勢だった。

相手にレフリーストップが告げられてもおかしく無いぐらい圧倒的に森本さんが勝っていた。

そして2ラウンド目が始まった。

またいつものようにビュンビュン避けて、バンバン当てていた。

相手もかなり焦っていたと思う。

なぜならアマチュアボクシングは3ラウンドで、今現在は2ラウンド中だ。

このラウンドで相手は優勢を取らなければ、判定で負けることになる。

このままいけば森本さんの勝利だ。

と、その時、相手の右フックが森本さんにパコーーンって当たった。

えっやば。と思ったが、大丈夫そうな森本さん。

そしたら２度目の右フックをもらったー（相手はサウスポー）

そして森本はフリーズした。

まるでレゴブロック のように笑

どこかで聞いた表現だな笑

そのままレゴブロック が倒れた…

そう、森本さんがダウンしたのだ。

えっ？かなりいい感じだったのに、どうした？笑

そのまま見ていると、立とうとしているではないか。

ただ膝が上がらなくて、また仰向けに倒れた（後頭部強打）

そのまま試合が終わり、KO負けとなった。

内容で勝ち、試合で負けた男となった笑

意識がハッキリ戻るまで3時間ぐらいあったと思う。

目が覚めると、フツーだった。

至ってフツー。

話せるし、歩けるし。

ただ

ただ

インターハイに来たことを覚えていない笑

2日間ぐらいの記憶がぶっ飛んでた笑

だから医務室で森本さんは

「ここはどこかわかりますか？」と聞かれて

「ここは学校の保健室です」と答えていた。

「いいえ、ここは長崎県です」

「えっ？？？そんなわけないですよ」

「いいえ、ここは長崎県です」

「？？？？」何嘘ついてんの？みたいな顔をしていた笑

時間が経つにつれて少しずつ思い出してきたみたいだが、試合をした記憶はいまだに無いようだ笑

森本さんはこれまで、誰が見ても、練習しまくってるなと思うぐらいやっていた。

正直ドン引きするぐらい練習をしていた。

ボクシングをしたい！そう思い、高校生活の青春をここになげうった。

辛い練習、辛い減量。

たくさんの犠牲を払ってきただろう。

そう。そして挑んだ、インターハイ。最後のインターハイ。

森本さんは記憶がなく、幕を閉じた。笑

その夜、森本さんたちと減量から開放されたので、ご飯を食べに行った。

長崎といえばちゃんぽん。

ベタだけど、食べに行った。

この食事終わり付近に森本さんのもっとも可愛い姿がみれた！！！！

つづく