ルバートへの考え方とアプローチの方法
表現時にテンポやリズムを自分の意思で動かしていくルバート。演奏のクオリティを大きく作用する要素の一つである。しかしどこでどのように用いるか、これといった決まりがあるわけではない。実はルバートというものは一般的に考えられているよりももっと深い意味を持ち、重要な役割を担っているのだ。
ルバートは音楽上に「揺れ」を生む。そしてその揺れは繊細な表情や洗練された美しさ、高揚感などを醸し出す。また硬直感、字余り感、字足らず感などを解消し、自然で滑らかな流れを作り出してくれる。ただ注意しなければならないのは、これらはルバートを用いれば必ず実現できるというわけではなく、うまく機能した場合のみに限られるということだ。
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