土曜日に新しく生まれた予定
中2の娘が将来美術を学びたい、ということで、絵の塾に通い始めた。
近所にも絵の塾はあるにはあるのだけど、どちらかというと「絵の教室」という類のところか、ちょっと名前は通っているらしい年配の男性が個人でやっているようなところしかなく、もう少し、地元以外の、同じような意識を持った同年代の子が広く集まるようなところが良いなぁと思い、電車で通えるところを探して、体験入塾をしてみたところ、とても良いところがあり、先月から通っている。
毎週土曜日の午後に2時間半。中2なので1人で行けなくもないのだけど、まだ少し心配なので、行き帰りに付き添い、送り届けたあとの2時間半の間は近くの喫茶店などで過ごす。
この2時間半は完全に1人の時間なので自由に使えるのだけど、案外そんな時間も1週間の中にほぼ無いので、本を読んだり考えごとをしたりして過ごしている。
そして、娘と、あともう1人、家で過ごしている姉へのお土産にモスバーガーを買って帰るのが定番になっている。
塾の先生は美大の大学院生のロン毛のイケメンの男性で、とてもカッコ良くて穏やかで、指導も丁寧でわかりやすいようで、娘も毎週のこの2時間半の時間に、程よい緊張感と楽しさを感じながら通っているように思う。
美術の世界はとてもシビアで大変で、先々、いろんな挫折もあるだろうけど、課題に対して向き合い、自分で考え、自分の手を動かして何かを作るという行為は、自分の感受性を圧倒的に信頼しそれを磨くことであり、それはとても素晴らしいことだと思う。進路はどうあれ、頑張ってほしいなと思う。
茨木のり子の詩『自分の感受性くらい』引用。
自分の感受性くらい
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか
苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを
暮らしのせいにはするな
そもそもが ひよわな志しにすぎなかった
駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ