はんそで

今日からスーツの下に着るワイシャツを長袖にした。

夏場は半袖のワイシャツで、スーツも上着は着ない、という形だったのだけど、ようやく涼しくなり、長袖の季節がようやく訪れた。

半袖のワイシャツは今でこそ普通だけど、会社に入った25年前くらいはスーツのワイシャツは長袖が基本だし、半袖はマナー違反とも教えられた。

最近では気候の亜熱帯化や、命の危険を伴う熱中症のリスクをいろいろなところで意識させられることもあり、半袖の許容度は格段に上がり、マナー違反という話も全く聞かなくなった。

そんな自分も半袖を着始めたのは昨年からで、それは、やはり営業という仕事上、半袖だと失礼では？という意識がそうさせていたのだけど、いったん半袖を着始めるとその快適さに後戻りは出来ず、命の危険、命の危険‥と言い聞かせ、半袖の肯定に努めることになったし、なぜもっと早く半袖にしなかったのだろう？まで思ってしまう。

そんな半袖だが、仲の良いお客さんで、とても大好きな人で、年中半袖の人がいる。LINEのアカウント名も「はんそで」なのでとてもわかりやすい。

さすがに真冬は長袖を羽織るけど、その下は半袖だし、羽織るものもせいぜいカーディガンだ。

寒くないのか？という質問は無粋なくらい、エネルギーに満ち溢れた太陽のような人なので、半袖じゃないと放熱の観点で死んでしまうのだろうな‥と、少し付き合うとわかる。

半袖は長袖よりも体の熱を放熱するから暑さ対策として有効である、というのが物理的な説明になるが、その人を見ていると、「半袖で放熱しないと死んでしまうくらいエネルギーに満ち溢れているのだ」というメッセージにもなり得るわけで、なるべくそんなイメージをお客さんに与えたい営業職としては、もっと半袖にこだわったほうが良いのかも、と、「マナー」とは逆のことを思う。

と、そんなことを、長袖のワイシャツを腕まくりしながら書いているのだけど、半袖にも長袖にもどちらにもいけない煮え切らない自分の中途半端さを最も表しているのが、「長袖で腕まくり」なのかもしれないと、ハッとした。