【経】猿橋の盟
ごきげんよう。島津の白狐 経清にござりまする。この度、狐太夫 百合之介様の名代として、甲斐の国は猿橋まで行って参りました。
「猿橋」とは日本三大奇橋のひとつ。落ちたら即死の切り立った渓谷の上、両岸から屋根瓦に覆われた巨大な柱が突き出て幾重にも重なり橋を支えている。その景観は他に類を見ない異様なもので、まさに奇橋と言うに相応しい。人が作ったものだが、何か人知を越えた雰囲気が漂っており、こう言う場所には何故か人外が好んで集まる。我が足を踏み入れた時は既に、濃い霧の如く妖気が充満しており、鬱蒼と生い茂る草むらからは、魑魅魍魎の囁き声が蝉時雨をもかき消すほど木霊していた。あの男が会談場所に指定してきたのは、そんな場所だった。
その男は「西の商い狸 八幡屋」。
京都一条の大将軍商店街で、妖怪の面や手拭いなど「アヤシイモノ」を専門に取り扱う怪しい店の店主である。
そして彼が持つもう一つの顔、それは「チーム荒魂」の主宰!
チーム荒魂は、誰もが知る「帝都物語」の作者であり妖怪評論家の荒俣宏氏のサポートチームであり、氏の志を継ぐべく妖界を暗躍するニューウェーブである。
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