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映画が好きなアニメの話

映画が大好きで、映画以外何もない主人公が監督をやるアニメ
映画大好きポンポさん
を観てきました。

この作品は以前原作漫画を読んでとっても印象に残っていて、
「幸福は創造の敵」
「社会と切り離された精神世界の深さこそが、クリエイターとしての潜在能力の大きさ」
これらの言葉は内向的な自分としてはこの言葉は私にとって刺さるものがありました。
そして、読み進めるにつれ自分の中にある世界が表現ができたらどんなに楽しいだろうかと思うきっかけの一つになった思い入れのある作品です。

そんなポンポさんが映画化したなら観に行かないと!と思い劇場に向かいました。

この感想を書いているときはパンフレットやインタビュー記事、SNSの感想等は一切読んでいません。私が見て思ったことを書いているだけなので、間違った解釈があるかもしれませんがご容赦ください。

正直なところ、ポンポさんに向けた映画なんじゃないかと思いました。
作中でもありますが、観てほしい人にフォーカスを当てる。その対象がポンポさんなのかなと。

漫画とアニメでは表現方法も違えば、受け取り方も違うため、アニメ化をするというのはすっごい難しいことだとだろうと想像しています。
おそらく原作をそのままアニメにしただけだと、尺が足りないことになるんじゃ、、、と思っていましたが、やはり追加シーンがいっぱいありましたね。
おそらく映画を作成することに重要な「編集作業」「お金の話」をピックアップしていたんだと思います。
また、追加シーンに「追加シーンを撮るシナリオ」を起点にしていたのも面白いギミックでした。

創作活動は地味な作業の連続で、編集はすっごい地味。
でもすっごい大事な作業。
同じシーンを何度も見直し、あーでもないこーでもないと頭を悩ませ、取捨選択を迫られる。
苦しいことの連続ですが、創作活動って苦しいことと切り離せないよねというのを見せたかったために編集シーンを選んだのかなと思いました。
地味にならないように編集を派手な表現にしていたのはアニメ(動画)だからこそできることだったように感じます。

映画のように多くの人の協力が必要なものは切っても切り離せないお金の話。納期遅延や追加コストで金銭的にピンチになるという普通に仕事をしていてもあることを単純なイベントにするのではなく、助けてくれたのはハイスクール時代の知人にして、「映画は一人で作れない」「社会から外れていた主人公が映画作成を通して触れていなかった社会(他人)に触れる。」というメッセージにつながるようになっていたのかなと考えると面白いですね。
おそらく、そんなに関わりがなかったのに覚えてくれていたアラン君マジでいい人だわ。

また、追加シーンを「追加シーンを撮るシナリオ」にするのは、まさに漫画から映画にするときに発生していた状態。
制作状況の過酷さやトラブルをそのまま取り入れる作品はありますが、中でも自己表現を題材にしているこの作品との親和性は高かったんじゃないかと思います。

原作にはなかったトラブルを追加することで、よりコントラストがはっきりして出来上がった時のポンポさんの言葉に深みがあったと思いますし、ジーン君の嬉しさは凄かったんじゃないでしょうか。

PCやスマートフォンの普及で多くの人がクリエイターになることができる昨今、クリエイターやそれに憧れている人を対象としたこの作品を楽しめる人は多いかと思います。
自己表現をしたい、何かを作り出したいという人は「困難も多いけど、作るのは楽しいし、出来上がったときに観てほしい人に観てもらえたら嬉しいよね。」というのがきっと伝わるはず。
私は最近できていない制作とか進めようと思う良いきっかけになりました。

ジーン監督の苦悩に共感し揺さぶられたところもありましたし、
ポンポさんがめちゃくちゃカッコよくて観に行って良かったです。

何よりもこの映画のお気に入りポイントは
上映時間が90分ってとこですかね

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