第4話 男性陣、ミニスカートのスッチーに皆大興奮する
中国のイミグレを出た私達は、高麗航空のゲートから少し離れた所でビールを飲みながら寛いでいた。
搭乗時間まであと1時間以上あるのだ。
青島ビールを飲みながら至福の時間を過ごしていた私達は、遠くから歩いて来るやけにスカートの短い(膝上5~10センチ以上はあろうか!)キャビンアテンダントに目をやった。 顔はアジア系である。
「まさかあれは北朝鮮のキャビンアテンダントじゃないよねえ~?」
「いやあ、まさかあの厳しそうな社会主義の国のスッチーがそんなわけないじゃないすか!」
「うん、あのスカートの短さは、北朝鮮とは考えにくいぞ!?」
「うん、確かに。 いろんな国の飛行機に乗ったが、俺が今まで見たスッチーの中でもダントツにスカートが短い。あんなの『北朝鮮』の当局が許すはずがない。非常に退廃的である。」
「中国でもなさそうだ。でも顔立ちは完全に東アジアの人間だぜ!?」
「俺、見て来ますよ!」
ビールを飲んで良い気分になっていたマサキは、颯爽と遠くまで走って行った。 そして、視察だと気づかれないように、普通の人を装いながら3人のミニスカCAの横をすれ違って帰ってきたのだ。
「俺、あの背の高い子と3秒間目が合いましたよ!(笑) 皆胸に金日成と金正日のバッジをつけていました!!」
「ええ!? じゃああれ北朝鮮のスッチーなん?」
「そういうことでしょう!」
その後マサキは、美人キャビンアテンダントと目があったことに興奮していた。
「人間は三秒間目があうと恋に落ちる」とかどうとか一生懸命説明していたが、残念ながらあちらがマサキに恋に落ちることはなかった。
ミニスカのキャビンアテンダント達は、高麗航空のゲートの前で少し待機し、飛行機の中に入っていった。
酒の入っていた私達は、あの過去の大日本帝国を思わせるような超軍国的な「北朝鮮」が、このようなミニスカポリス(古い!?)ならぬミニスカスッチーを用意してくれていることにただならぬ興奮を感じ、いきなりテンションが爆上がりしたのだった。
選りすぐりの美人を、国の顔ともいえる国営航空会社のキャビンアテンダントとして登用するのは、至極全うな国家戦略である。
だが、偉大なる金正恩委員長は、ただ美人を配置するだけではなく、キャビンアテンダントの制服になんとミニスカートを採用したのである。
まことに偉大な戦略だと言わざるをえない。
私達はいきなり高麗航空の虜になってしまったのだから。
高麗航空の飛行機に乗り込む時間になった。 中国人の客が多く、日本人客も少しだけいた。
この高麗航空の飛行機は旧ソ連のものであるらしく、そうだとしたら相当の年代モノの飛行機だということになる。
そんな年代モノの飛行機に乗るのだから墜落の可能性など考えてソワソワしてしまいがちだが、今回はミニスカキャビンアテンダントのおかげで少なくとも男性陣はそんなことを考える必要はなかった。
飛行機に入ると、先程の美人ミニスカスッチー達が出迎えてくれていた。
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