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第3話 いよいよ謎の共和国「北朝鮮」へ
私たちが「北朝鮮」に入国する日は2019年5月1日と決まった。(令和の元日である)
日本から朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)への直行便はない。
国交がないため当然である(金丸信が権力を持っていたかつては直行便があったらしい)。
飛行機では中国の北京や瀋陽から入るのが普通で、その他ロシアやシンガポールから入ることができるというのも聞いたことがある。
私たちは九州、大阪、東京、北海道と各自バラバラの地域からの参加となるので、現地で集合することにした。
私と、マサキ氏、ケイスケ氏は福岡からの出発であった。 私たちは29日に福岡空港から大連からに出発し、29日は大連で一泊、次の日の朝、大連北駅から瀋陽へ高速鉄道で向かった。
今回の他のツアーのメンバーとは4月30日夜七時、中国の瀋陽にある「老辺餃子館」という老舗で顔合わせをした。
私たちが待ち合わせをしたこの餃子の名店は「清の時代1829年に辺福によって創始され、現在は辺福から数えて四代目。その称号の数々はちょっと数えるのが大変なほど。」と記事で書かれているほど、超有名店らしい。
6人のメンバーのうちの2名は初対面で、市場君ともこの日8年ぶりくらいに再会した。
この日皆で中国が誇る最高峰の餃子を食いながら、自己紹介をしたり、朝鮮旅行における注意事項などをMさんから受けたり、談笑したりして楽しんだ。
Mさんは朝鮮旅行における注意事項としてまず次の3つのことを挙げた。
1,「北朝鮮」という呼び方はあちらの人にとっては失礼にあたるので、ガイドやあちらの人と話すときは「北朝鮮」という言葉は使わないこと。代わりに「朝鮮」、「共和国」と呼ぶこと。
2, また韓国のことを「韓国」と呼ばないこと。「南」若しくは「南朝鮮」と呼ぶこと。
3, ホテルの部屋では盗聴されている可能性があるので、発言には気をつけること。
初めにも書いたが、朝鮮半島全土が領土であると主張する朝鮮民主主義人民共和国は、自らを「共和国」若しくは「朝鮮」と呼ぶ。
「北朝鮮」という呼び方は、国交を結んでいないこちらから見た呼び方であるため、失礼にあたる。
蔑称だと言っていい。
また、「北朝鮮」は「朝鮮半島はアメリカ帝国主義者により分断されており、南(韓国)に駐屯しているアメリカ軍が朝鮮半島の統一を妨げている」と主張しているので、基本的に「韓国(大韓民国)」という国の存在を認めていない。
なのでガイドさんやあちらの人と話すときはトラブルを避けるため朝鮮民主主義人民共和国を「北朝鮮」、また韓国を「韓国」と呼ぶのは止めようということだ。(実際現地では、ガイドさんが韓国を「韓国」と呼んでいるのは何度も聞いたが。。)
またよくネットでもホテルの巨大な鏡はマジックミラーになっていて監視されているとか、盗聴されているとかよく書かれており、真偽の程はわからないにしても、どんなことが当局の逆鱗に触れるか正直わからないため、慎重に慎重を重ねておくに越したことはない。
Mさんの知り合いの話で、ずいぶん昔ではあるが、朝鮮旅行中部屋の中で「あー疲れた、ビール飲みてえ」と言ったら、ルームサービスでビールが運ばれてきたとか何とか・・・(笑)
私たちは、巨大な円卓を皆で囲いながら様々なタイプの餃子や肉料理をほおばり、ビールを飲み、明日から始まる朝鮮旅行の前に親善を深めた。
2019年5月1日、私たちは令和の始まりを中国の瀋陽で迎えた。
中国の瀋陽はかつての日本が作った満州国の「奉天」と呼ばれた都市であり、最後の中国王朝 「清」を建国した女真族(満州族)がまだ中国を征服する前はここを都城と定め、北京に遷都した後もここ瀋陽を副都とした。
私たちは、ここ瀋陽から飛行機で平壌入りすることになる。
つまり令和の元日に私たちは国交を結んでいない朝鮮民主主義人民共和国という国に入国するということだ。
見ようによっては「非国民」だと言われても仕方がないのかもしれないなと思ったりした。
実際、上皇陛下が譲位される日と、新しい天皇陛下の即位の日に日本にいないというのは少し後ろめたい気があった。
私たちは、5月1日瀋陽国際空港で待ち合わせていた。
北朝鮮の国営航空会社である高麗航空のカウンターで、現地の旅行会社の人からビザを受け取ることになっている。
国交を結んでいないためか、私たちのパスポートに朝鮮民主主義人民共和国のスタンプが押されることはない。スタンプではなく別紙のビザが発券されるのだ。
11時にビザを受けとる手はずになっていたのだが、実際、現地旅行会社の人がパスポートを渡しに来たのは12時だった。
私たちがチェックインカウンターに並んでいると、ある男が私の顔をじろじろ見ながら、手に持っている書類を確認していた。ぎりぎりになってやっと現地の旅行会社の男性がやっとビザを渡しにきたのだ。
出発時間が13:55分であったので、その2時間前にやってきたということで問題は無かったのだが、ビザがないと絶対に入国できないのに1時間も待たされた私たちの気持ちを想像してみてほしい。
とにかく、皆一同安堵した。
青い別紙のビザを手に入れた私たちは、これで無事に朝鮮へいけることが確定したのだ。
つづく
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