かなでちゃんがいた日々
8月28日から、住み込みスタッフとして来てくれたかなでちゃんがついにここを離れる日になってしまった。
朝、つむぎはいつもより早く起き出す。リビングに移動しゴロゴロしている。2階から降りてくるかなでちゃん。
泣き出すつむぎ。泣きながらぼくの方に走ってくる。
「お姉ちゃんがいなくなるのやだ!一緒にお風呂も入りたかった!だでぃとママがだめって言うからもういなくなっちゃう!」
怒っているのか、悲しんでいるのか、泣いているのか。今までになく長く一緒にいたお姉ちゃんとのお別れに感情が爆発してしまったようだ。つむぎはどうやらかなでちゃんともお風呂で遊びたかったようだ。
つむぎを抱っこで寝室に連れていく。なかなか泣き止まなかったが、しばらくしてようやく落ち着き、お姉ちゃんと遊びにリビングに向かう。
幼稚園バスの前に記念撮影をしてつむぎはここでお別れ。櫂も子育て支援センターに向かった。
かなでちゃんは最終日も農作業を手伝ってくれることに。さいこうファームのスタッフと一緒に畑で半日汗を流す。
畑でスタッフの皆さんともお別れ。
家ではさいこうファームの書道家、心太郎さんが「安全祈願」の札を書いていくれている。バイクで長距離の移動をするかなでちゃん。本当に安全に移動してほしい。
心太郎さんともお別れし、残すはぼくと幸枝さん。
美幌の最後の締めに「時計台」でランチ。お別れのメニューはカツサンドと巨大なパフェだ。
食事も終わり、家に戻り。いよいよお別れ。
ぼくらからの餞別に少しだけ残っていた越冬イモを持たせる。今日は作業に来れなかった大家さんが持ってきてくれた赤飯は幸枝さんがおにぎりにして持たせてあげた。
本当にお別れ。
「またいつでも来て!」
「流氷を見に来ます」
「みんなで待ってるよ」
バイクにまたがり、家を後にするかなでちゃん。
そして、また、普通の日々が始まる。ぼくは、畑に向かい、幸枝さんは家でライターの仕事を進める。つむぎは幼稚園、櫂は支援センター。
作業を終えて家に戻るぼく。幸枝さんは子どもたちのお迎えに行ったようだ。
静かだ。
ふと、喪失感を覚えた。家族が巣立っていくのを送り出すのはきっとこういう気持ちなんだろうと感じた。
家族のように暮らしてくれたかなでちゃんとはしばしのお別れ。
「かなでちゃん、いつでも帰っておいで!みんな楽しみに待ってるよ!」
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